日立製作所(以下、日立)は10月17日、入退室管理やタイムレコーダー、金庫、キャビネットなど、さまざまな機器組込み用に開発した新製品「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」(PCT-KCAX010)を、10月18日から販売すると発表した。

また、ITセキュリティのためのPCログイン用に、オフィスだけでなく店舗での利用などを想定し、場所や用途に応じた筐体色の変更や、企業ロゴの印刷などのデザインカスタマイズサービスに対応した新製品「日立指静脈認証装置 H-1」(PC-KCA110)の販売を、同じく10月18日から開始、11月25日からの提供を予定している。

(左)「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」(PCT-KCAX010) (右)「日立指静脈認証装置 H-1」(PC-KCA110)

PCT-KCAX010は、バックアップ用フラッシュメモリーを搭載することで登録データのダウンロード時間が短縮し、指静脈登録数を12,000指まで登録することが可能となった。また、新開発のハードウェア認証アクセラレーターの搭載により処理性能を向上させたことで、生体情報のみで認証を行う「1:N認証」における認証時間を、2,000指登録の条件でも、約1.5秒まで高速化した。価格は個別見積り。

利用者数が多い大規模システムで使用する機器に組込んでも、テンキー入力やカードと併用することなく、指静脈のみの1:N認証で高速に利用することが可能となり、今回新たに採用した「逐次認証」方式により、1:1認証において、本人拒否率(FRR)を0.01%(1万分の1)未満に維持したまま、他人受入率(FAR)を0.0000067%(1,500万分の1)未満まで大幅に精度を向上させた。

.「日立指静脈認証装置 H-1」(PC-KCA110)筐体色の変更やロゴ印刷などのカスタマイズサービス

「日立指静脈認証装置 H-1」は、筐体色の個別変更や、企業ロゴなどの印刷が可能なカスタマイズサービスの提供を開始する。これにより、利用施設や顧客、パートナーの用途に合わせたデザインで、指静脈認証装置を設置することが可能となる。また、認証精度やサイズなどの基本的な仕様は従来機種を継承しながら、認証速度を約20%向上させた。今後は、Windows 8やWindows Server 2012などの新OSにも対応していく予定。価格はオープン。