モーデックは10月9日、エム・イー・エルと代理店契約を締結し、実装プリント基板を超高速でシミュレーションするソフトウェア「S-NAP PCB Suite」の販売を開始したと発表した。

従来の電磁界解析ツールは、製品レベル同様に部品実装されたプリント基板や多層基板全体の3次元電磁界解析を実行するにあたって、高性能なコンピュータを用いても多大な解析時間を要してしまい、短納期を求められる実務設計フェーズにおいて活用できない、という問題を抱えていた。

同製品は、この問題を解決し、プリント基板全体の電磁界シミュレーションを高速で実現する。例えば、他社製品で検証に5日間を要するプリント基板を「S-NAP PCB Suite」では30分程度で終了するという(同社における検証結果)。プラットフォームはWindows PCで、容易かつ安価で導入できるため、開発コストおよび納期の削減に寄与することが可能だ。

特に、部品特性を考慮して、プリント基板全体の解析を行いたい。基板設計後の、EMI/EMCなどの工業規格対応に要する時間と手間を削減したい。素子を変更した際の特性変化、パスコンやEMIフィルタの必要性について短期間に検証したい。ジャンパーによる接続やパスコンの追加によって変化する特性について調べたい。応答特性や電圧、電流分布密度を確認し問題を明確にしたい。などといった問題解決に対応するという。

特長としては、パターン解析の結果をパラメータとして保存し、そのデータを使用することにより、素子特性の解析を数分で行うことが可能な他、部品実装状態の多層にわたるプリント基板全体を特性解析することができる。

動作環境は、OSはWindows XP 64ビット、Vista 64ビット、Windows 7。CPUは数値演算の可能なもの(マルチコアを推奨)。メモリは最小必要量8GBで、解析対象サイズに依存し、最大192GBまで対応する。

S-NAP PCB Suiteの主の動作イメージ