ソニーは10月3日、新たに開発した1チップで国内3波TV放送(地上デジタル、BS/CSデジタル)の受信に対応したシリコンチューナICを搭載したチューナモジュール「SUT-PJ」シリーズを発表した。

新開発されたシリコンチューナICを搭載したチューナモジュール「SUT-PJ」シリーズ

従来、TVやレコーダ機器の国内3波TV放送対応チューナモジュールは、地上デジタル放送受信用と衛星(BS/CS)デジタル放送受信用にそれぞれ別々のチューナICを搭載していた。今回、地上/衛星放送それぞれの受信用シリコンチューナ技術を生かし、発振回路やロジック回路などの共通化を実現。地上/衛星に対応した1チップICでありながら、従来の地上デジタル放送用シリコンチューナICと同サイズまで小型化し、モジュールに搭載した。

これにより、従来比約25%の小型化を実現した他、独自の高周波回路技術とモジュール化技術により消費電力も同約20%削減、さらに地上デジタル放送で-81dBm(64QAM、Code Rate=7/8)、衛星デジタル放送で-85dBm(TC8PSK、Code Rate=2/3)という安定した受信感度を達成した。さらに、複数個搭載されているチューナIC同士のノイズ(輻射)が映像品質に与える影響を抑え、優れた相互干渉妨害耐性を実現し、各系統のチューナの受信感度差を0.5dB以下を実現した。

同シリーズをTVやレコーダー機器に採用することで、製品の薄型化や基板の小型化、柔軟な商品設計などが可能になり、消費電力の削減にも寄与する。また、同一基板でシングルチューナモデルやトリプルチューナモデルの設計が可能になるなど、製品作りの効率化を図ることができる。

なお、同シリーズは10月13日からソニーが発売するBlu-Ray Discレコーダ製品群に搭載される。

「SUT-PJ」シリーズのラインナップとサンプル出荷時期、サンプル価格