STMicroelectronicsは、車載アプリケーション向けに新たなプロセスを採用した16V CMOSオペアンプ「TSX56」シリーズを発表した。

同製品は、16V CMOSの製造プロセスを活用したことで、既存製品よりも小さい入力オフセットと優れた長期安定性を実現したほか、チップサイズを小型化し、リードレス表面実装タイプの小型パッケージでの提供を可能にした。また、省電力化されたことで、バッテリまたは太陽光で駆動する機器などへの適用も容易になったという。さらに静電気破壊(最大4kV)に対する保護が強化されている他、-40℃~125℃までの温度範囲で動作するため、産業・車載機器の過酷な環境でも使用できる。同社では、車載用規格に準拠する製品を2013年に発表する予定。

「TSX56」シリーズは、シングルの「TSX561」、デュアルの「TSX562」、クアッドの「TSX564」があり、動作電源電圧は3~16Vと広く、3/5/12V、±5Vをはじめとする各種業界標準の供給電圧で使用可能。これにより、動作電圧、精度特性、利得帯域幅積(GBP)、消費電力に関して様々な選択が可能になった。また、類似製品として、5Vまで動作電圧レベルで同様の特性を持つ「TSV5」シリーズや、低速アプリケーション(最大10kHz)での使用時に消費電流がわずか1.2μAの「TS94」シリーズ(10V)が用意されている。

入力オフセット電圧は最大600μV、入力バイアス電流は1pA、消費電流は標準5V時で240μA、利得帯域幅積は標準で900kHzとなっている。

なお、パッケージは「TSX561」がSOT23-5。デュアルの「TSX562」が2mm角のDFN8、もしくはMiniSO-8。クアッドの「TSX564」が3mm角のQFN16、もしくはTSSOP14。価格は1000個購入時で約0.50ドルから。すでに量産している。

車載アプリ向けに新プロセスを採用した16V CMOSオペアンプ「TSX56」シリーズ