NECは9月26日、データの増加に応じた柔軟な拡張性と高信頼性を両立する、ビッグデータ時代に最適なスケールアウト型データベース「InfoFrame Relational Store(インフォフレーム リレーショナル ストア)」を強化し、「InfoFrame Relational Store V2.1」として販売を開始し、11月下旬から出荷を開始すると発表した。新製品の価格は、最小構成で555万円(税別)。

InfoFrame Relational Storeは、NECの北米研究所で開発した独自技術を用いて、データの高速処理とKVS(キーバリューストア)によるシステム拡張が柔軟にできるという強みを活かしながらRDB(リレーショナル・データベース)と同様の使いやすさを実現できるデータベース。

新製品は、蓄積した大量データを高速に分析や加工できるようHadoopとの連携機能を新たに実装し、セキュリティ機能を強化した。

ユーザの追加や削除、パスワードの設定が可能となるほか、各テーブルに対するアクセス権限の付与・削除を可能とする権限設定機能を提供。これまでKVS製品ではできなかったユーザ認証・アクセス権限を既存システムのアプリケーションと同様に実現する。

RDBと同等のアクセス制御による、セキュリティの強化

Hadoopとの連携強化点は、HadoopからInfoFrame Relational Storeに格納されているデータを直接アクセスできる「ダイレクトアクセス機能」を新たに提供。これまで、Hadoopを利用する際に、InfoFrame Relational StoreからHadoop用データベース(HDFS)に一旦データをアップロードする必要があり、この時間が無駄になっていたが、本機能によりこの時間が不要となる。

Hadoopで処理した結果を格納し、分析結果の長期保存が可能

また、既にHadoopで処理したデータ以降にInfoFrame Relational Storeに蓄積されたデータから、必要データのみをフィルタリングして差分抽出する「差分アクセス機能」を追加。従来、Hadoop内に順次データを蓄積する場合には、前回との差分が判らず、毎回全体を処理をする必要があったが、本機能を使うことにより差分だけを処理対象とするため、高速処理が可能となる。

さらに、Hadoopで処理したデータをInfoFrame Relational Storeに並列処理で高速に格納する「パラレルローダ機能」を提供。InfoFrame Relational Storeの拡張性(スケーラビリティ)により、Hadoopで処理したデータを大量かつ長期に保存するデータベースとして活用することができる。