いまやMacユーザの必携品となった仮想化ソフト。なかでもParallels Desktop for Macは、いち早く新機能を導入する、デスクトップ向け仮想化ソフトにおけるトレンドセッター的存在だ。それでは早速、Mountain Lionの発売にあわせ公開された新バージョン「Parallels Desktop 8 for Mac」の試用レポートをお届けしよう。

Parallels Desktop 8 for MacでWindows 7をゲストOSとして実行しているところ。WindowsソフトがMission Controlで管理されていることがわかる

今度のキモは「Mountain Lionレディ」

7月下旬に公開されたMountain Lionは、iOSとの融合/共存というテーマをさらに推し進めたデスクトップOSであり、ユーザインターフェイスの改良に力点を置いたリリースとなっている。そのMountain Lionに照準をあわせた今度の「Parallels Desktop 8 for Mac」も、ユーザインタフェース面の変化が見どころのひとつだ。

まず気がつくのは、通知センターの統合。Windowsには、タスクバー上に「通知領域」と呼ばれるイベントを表示するエリアがあるが、ここに表示される情報がMountain Lionの通知センターに表示される。これまでもメニューエクストラ上に仮想マシンであるWindowsの通知が表示されていたが、通知センター上に表示されるようになり、見逃すことがなくなった。

ダウンロードの完了など、Windowsの通知領域で知らされる情報をOS Xの「通知センター」に表示できるように

Mountain Lionの新機能「音声入力」にも対応している。OS X側で利用しているマイクやヘッドセットを利用すれば、メモ帳など文字入力可能なアプリケーションに読み上げた文字列を挿入できる。BluetoothデバイスをゲストOS(Windows)と共有可能になったので、外付けのマイクを利用している場合も余分な作業は必要ない。利用方法はOS Xと同様、Fnキーを2回押して話しかけるだけだ。

Mountain Lionの新機能「音声入力」が、Windowsアプリケーションで利用できるようになった

さらにParallels Desktop 8 for Macでは、「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」をサポート。最大2880x1800ピクセルという解像度で、WindowsなどゲストOSのデスクトップを表示できるという。正確にいえば、前バージョンのときアップデートで提供開始された機能だが、安心して導入できる材料にはなるだろう。

なお、Intel Core 2 Duo、Core i3、Core i5、Core i7、またはXeonプロセッサがハードウェア要件となっている。システム要件ではSnow Leopard 10.6.8以上となっているが、Core SoloおよびCore Duoプロセッサは動作対象外となっているため注意したい。

メモリは2GB以上搭載とされているが、ゲストOSにMountain LionやWindows 8といった最新のOSを導入する場合には、そのぶんのメモリも確保する必要がある。常駐サービスの増加でメモリ消費量が増えたMountain Lionで使うのならば、パフォーマンスが大幅に低下するスワップの発生を回避するために、最低でも8GB、できればそれ以上の物理メモリを搭載しておくべきだろう。

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