熊谷駅前。駅前には今やすっかりおなじみになったミストシャワーがある

そろそろ秋の気配…といいたいところだが、いまだ猛暑に終わりの気配は見えず。まだしばらくは暑い日が続きそうだ。今年も日本で一番暑い町としてニュースをにぎわせてくれた熊谷。8月末になっても猛暑日(最高気温35℃以上)が続いていたこの町では、暑い日々を快適に乗り切るためにどんなことをしているのか? 激アツ熊谷に突撃してみた。

ちなみに熊谷の気温が高いのは、東京都心部のクーラーが影響しているとか。温熱やアスファルトの照り返しで生まれた熱い空気が、東京湾の海風に乗って内陸部へ吹き込む。熊谷周囲は秩父山脈に囲まれているため、吹き込まれてきた熱がこもりやすいようだ。

まずは熊谷の暑さを体感してみよう

熱々のベンチ。座るにはかなり勇気が必要そう…

暑さ日本一の実力を知るには、まずは街を歩いてみよう! ということで出発。熊谷駅から1~2分歩くと、早くも地面の照り返しでジリジリと暑さを実感。体感温度はぐんぐん上昇していく。駅前商店街を歩いているとベンチを発見。

このベンチは一体どのくらいの温度になっていることやら…。ということでいったん駅に引き返し、100円ショップで温度計を購入した。

ベンチに戻り、早速温度計をセットすると、すでに38度弱を表示。撮影している間にもどんどん上昇を続け、たった5分であっという間に40度オーバー。熊谷恐るべし。次回は50度までは目盛りのある温度計を持参して、チャレンジしてみたい。

置いた瞬間からみるみるうちに温度は上がり…

あっさり目盛りオーバー。44度くらいはありそう

街中で暑さを楽しむ熊谷ラバーズ

道行くおじさんに「暑いですね」と声をかけると、「暑いなぁ。でも(最高気温に到達する日の暑さは)こんなもんじゃねぇよ。暑いんでも何でも、一番がいいってこったな」と、なんだかちょっと誇らしげ。暑い街・熊谷市民はやっぱり熱い!

「ところで夏の暑さ対策、何かしていますか?」と聞いたところ、「あんまり暑い日はかみさんを連れて、居酒屋で夕食を済ませることもあるね。料理作るのも面倒だし、いわゆる『クールシェア』ってやつだな、ははっ」。

聞けば熊谷では夏の節電対策として「クールシェア」と呼ばれる取り組みが盛んだとか。これは公共施設や店などの涼しいところに集まることで、個々の節電を心がけるというもの。「クールシェアスポット」が市内に約50カ所あり、「家のクーラーを止めてきた」と伝えれば、ドリンクやデザートのサービス、うちわやクールグッズのプレゼントなど、様々な特典がある。このサービスは10月31日まで実施予定だ。

クールシェアとグルメもコラボ

ちなみにこのクールシェア、場所だけでなく特産品、グルメなどにも用いられている。その代表格が「雪くま」と呼ばれるかき氷だ。熊谷の水でできた氷を使ってつくった雪くまは、市内の甘味処やカフェなどで食べられるクールシェアスイーツ。口に入れるとふわっと溶ける、熊谷の新しいご当地グルメである。

サラサラ粉雪のようなかき氷。写真を撮っている間にも溶けていく

また、熊谷クールシェアグルメの展開はとどまることを知らず、「くま辛グルメ」というプロジェクトも発足。熱い(暑い)=HOT=辛いということで、暑いときにこそ辛いものを食べて熱くなろう、というコンセプトなんだとか。

地場野菜を使ったHOT(辛い)なメニューをなんと「土鍋」で提供するのが、くま辛グルメの条件。ただでも暑いのに土鍋って…、なんていうのはやぼってもの。暑い時には暑さを思いっきり楽しむ―それが日本一暑い熊谷流の暑さ対策なのだから。くま辛プロジェクトに参加している店は約50店舗。熊谷を訪れた際には、ぜひお試しあれ。

市内の多数の飲食店に置かれたのぼり。見るからに熱い!