国際情報企業「トムソン・ロイター」は19日、ノーベル賞受賞に値する研究者として竹市雅俊・理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター長、藤嶋昭・東京理科大学学長、春田正毅・首都大学東京大学院特任教授を含む21人を発表した。

トムソン・ロイターは、世界の有力学術誌で他の研究者に引用された研究論文数を基に、ノーベル医学・生理学、物理学、化学、経済学賞を受賞しそうな研究者を選び、毎年「トムソン・ロイター引用栄誉賞」として発表している。

今年選ばれた竹市雅俊氏は「細胞接着分子カドヘリンの発見」、藤嶋昭氏は「酸化チタンの光触媒反応の発見」、春田正毅氏は「金の触媒作用の独自な基盤的発見」に関する研究論文が、それぞれ世界各国の研究者に数多く引用された。トムソン・ロイターが引用栄誉賞の発表を始めたのは2002年で、これまで引用栄誉賞に選ばれた研究者のうち26人がその年ないし数年後にノーベル賞を受賞している。特に昨年は医学・生理学、物理学、化学、経済学賞を受賞した9人全員が、前年(2010年)ないし3年前(2008年)に引用栄誉賞に選ばれた研究者だった。

これまで引用栄誉賞に選ばれた研究者のうち、日本人研究者は今年の3人を入れて14人(故人2人を除く)。ただし、14人の中からノーベル賞受賞者はまだ出てなく、またこれまでノーベル医学・生理学、物理学、化学賞を受賞した日本人研究者で、「トムソン・ロイター引用栄誉賞」に選ばれていた人もいない。

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