ジャパンチャージサービス代表取締役社長の武田二郎氏

ジャパンチャージサービスは9月4日、日産自動車などと共同で構築を進めてきた電気自動車(EV)向け会員制充電サービスネットワークを活用し、2012年10月1日より神奈川県を中心とした関東圏内50拠点にて充電サービスを開始することを発表した。

同社は2012年2月に設立され、同4月より神奈川県内の日産ディーラー10店舗にて試験的な充電サービスを行うなど、EVユーザーと充電器設置場所提供者の双方にメリットのある充電サービスの開発・提供に向けた取り組みを進めてきていた。今回のサービス開始では、自社サービスネットワーク22拠点(日産ディーラー10拠点含む)ならびに石油元売り4社(JX日鉱日石エネルギー、昭和シェル、出光興産、コスモ石油)で組成されるEVサービスステーション・ネットワーク(EVSS)28拠点(神奈川県内17拠点、東京都内9拠点、ほか2拠点)の合計50拠点にて充電サービスが提供される。

また、東日本高速道路(NEXCO東日本)、成田国際空港(NAA)、ファミリーマート、アレフ(びっくりドンキー)の各社と充電器および認証課金コントローラの設置・運用についても合意したことも併せて発表しており、これにより高速道路、コンビニエンスストア、空港、ファミリーレストランなどに充電器が設置されることとなる。「EVユーザーがどこでも充電できるというライフスタイルを提供することがこれで可能となった。他の充電サービス業者とも相互乗り入れを果たしていきたい」と同社代表取締役社長の武田二郎氏は語る。

高速道路、空港、コンビニ、レストランなどに急速充電器が設置されることで、ユーザーは買い物の間に充電、空港に預けている間に充電といったことができるようになる

さらに、いつでも安心して充電できる環境を提供していくことを目指した取り組みとして、「充電器の故障情報や満空情報、営業時間などの情報提供サービスのほか、24時間365日のフリーダイヤルでのコンシェルジュサービスを提供することで、使う際の不明点や疑問点、現場でのトラブル対応を図っていく」(同)とするほか、将来的にはサポートの拡充として、充電器情報の検索サービス、コールセンターサービス、充電器周辺の施設に関する情報提供、充電完了のメール通知サービスなどを提供していく予定としている。

使い方が分からない、行ってはみたが先客が充電中だった、といった不利益をユーザーに与えないための情報提供サービスの同時に提供するほか、コンシェルジュサービスや各種の情報提供サービスなども順次提供していく予定とする

ユーザーの利用プランは現在、「ライトプラン(月額会費980円)」「バリュープラン(同2500円)」「スーパーバリュープラン(同5000円)」「ZESPプラス(同0円)」の4種類を予定。2013年3月末まではキャンペーン中で、ライトプランが500円、バリュープランが2000円、スーパーバリュープランが4500円となるキャンペーンが実施される。ユーザーは、それぞれの月会費分までは無料で充電でき、その金額を超した場合、各プランに準じた充電都度料金を払って充電を行うこととなる。充電時間や金額は各設置店舗などで異なり、現在のプランでは1回あたり最長15分、20分、30分の3つが用意される予定。例えばファミリーマートでは1回最長15分でライトプラン420円、バリュープラン315円、スーパーバリュープラン282円としているほか、びっくりドンキーの場合、1回最長20分でライトプランで500円、バリュープランで375円、スーパーバリュープランで335円としている。

4つの会員プラン費用

充電都度料金(料金プラン)(料金については2012年10月1日時点のものであり、今後、変更される場合もあるという)

ちなみに充電可能な車種はCHAdeMOに対応するEVであれば、としており、各自動車メーカーとの連携も模索していくとする。

2012年9月4日より充電サービスを開始したファミリーマート荏田南三丁目店(神奈川県)。同店舗に設置された急速充電器は日産自動車が、カードの読み取り機はNECがそれぞれ製造を担当している

実際の充電サービスを使う流れとしては、まずEVの充電コネクタ(CHAdeMO)と接続し、会員カードを読み取り機にかざして充電するか聞かれたらOKを押す(充電作業をしているのはジャパンチャージネットワークの武田社長。会員カードを読み取り機にかざしているのはファミリーマートの常務執行役員である本多利範氏)。充電を終える場合(充電途中でも)再度カードをかざして終了を選択することで充電を終えることとなる。なお、カードをもたない人でも充電は可能で、その場合、(今回はまだ設置されていなかったが)コールセンターへ電話し、そこで氏名、メールアドレス、クレジットカード番号を伝え、仮IDを発行してもらって、その番号を打ち込むことで充電ができるようになる。

なお、同社では2020年には充電器設置個所を神奈川を中心とした関東圏をメインに400カ所、40~50万人の会員獲得を目標とし、サービスイン後のユーザーからフィードバックされた知見などを参考にしつつ、ほかの充電器サービス事業者との提携なども模索していくとしている。

ファミリーマート荏田南三丁目店における充電デモの写真スライドショーはこちらから→