NTTデータ経営研究所は8月16日、消費者金融の利用者・利用経験者を対象に実施した「消費者金融の利用状況等に関するアンケート調査」の結果を発表した。

同調査は、楽天リサーチ登録モニターのうち、手消費者金融会社、その他消費者金融会社のいずれかから借入経験のある人に対し、非公開型インターネットアンケートで実施されたもの。有効回答者数は1,500人。

調査結果より利用者の属性や借入行動に関する項目を用いたクラスタ分析を行った結果、5つの消費者金融利用者のタイプが明らかになった。5つのタイプとは、「生活維持借入タイプ」「一時借入タイプ」「趣味・娯楽タイプ」「多重借入タイプ」「小額借入タイプ」で、各タイプの特徴は、次のとおりだ。

タイプ 構成比 家族構成 収入 特徴
生活維持借入タイプ 36.5% 30代の既婚女性で、家族構成は夫と子供 収入は不安定で、貯蓄比率も低いが、持ち家比率は高い 収入が減ったこともあり、生活を維持するために数社から比較的多額の借入れを行っているが、きちんと返済している
一時借入タイプ 19.7% 30から40代の既婚女性で、家族構成は夫と子供 収入は安定しており、貯蓄比率・持ち家比率とも高い ショッピングやレジャーのために、1社から比較的多額の金額を一時的に借入れている
趣味・娯楽タイプ 15.8% 40代の既婚男性で、共働きの妻と子供がいる 社会的なステータスが高く、収入も安定しており、貯蓄比率・持ち家比率も高い 複数の借入先から自身の趣味や遊興費のために、比較的多額の金額を借入れているが、滞納等はない
多重借入タイプ 21.8% 40代男性で相対的に結婚していない人が多い 収入は安定しているものの低く、貯蓄比率・持ち家比率ともに低い 他の借入金を返すために、5社以上からかなり高額の借入れを行っている。計画を立てておらず、返済は滞りがちで1ヶ月以上滞納したこともある
小額借入タイプ 6.2% 20から30代の既婚男性で、専業主婦の妻と子供がいる 収入は安定して高く、貯蓄比率・持ち家比率も高い おこづかいの補てんのために、1社から小額の借入れがあるものの、きちんと返済している

消費者金融利用者・利用経験者の5つのタイプ「性別・年代別」 資料:NTTデータ経営研究所

調査によると、世帯年収が低いのは「生活維持借入タイプ」「多重借入タイプ」で、年収300万円未満がそれぞれ38.2%、34.3%の比率を占めている。一方、「小額借入タイプ」は、年収800万円以上の所得層が20.7%と他の借入タイプよりも高い割合を占めている。

消費者金融利用者・利用経験者の5つのタイプ「個人年収」 資料:NTTデータ経営研究所

「生活維持借入タイプ」「多重借入タイプ」には、貯蓄がゼロの割合がそれぞれ25.2%、29.4%と高く、反対に「小額借入タイプ」は毎月決まった額を貯蓄する割合が高く、29.0%となっている。

消費者金融利用者・利用経験者の5つのタイプ「金融資産の保有状況」 資料:NTTデータ経営研究所