リコーは8月8日、東日本大震災で失われた写真を回収・デジタル化して持ち主に提供する「セーブ・ザ・メモリープロジェクト」の写真センターの検索システムに、NECの顔認証技術を導入したことを発表した。

セーブ・ザ・メモリープロジェクトは、被災地で回収された写真を持ち主のもとに返すための取り組み。地方自治体が回収・洗浄した写真をデジタル化し、同社のオンラインストレージサービス「クオンプ」に保存する。被災によって写真を失った人は、各自治体の写真センターでクオンプに保存された写真を検索し、自分の写真が見つかった場合は、原本と共にデータを受け取ることができる。現在、写真センターは宮城県南三陸町と岩手県陸前高田市、宮城県女川町の3ヵ所にあり、宮城県亘理町と福島県南相馬市でも今秋、写真センターがオープンする予定になっている。

セーブ・ザ・メモリープロジェクトのWebサイトイメージ

これまで写真の検索は、写真が発見された地域名やその他の関連ワードの入力によって行われていたが、今回、NECの顔認証技術「NeoFace」が導入された。NeoFaceはデジタルカメラで撮影した顔写真を取り込んで、その人に似た顔が写っている被災写真を抽出することができる。なお、NeoFaceに実装されている顔認証技術は、米国国立標準技術研究所が2010年に実施したベンチマークテストで1位の評価を得ており、国内外で広く活用されているという。