旅先でもお気に入りの本を持ち運べるか?

次は「旅先でもお気に入りの本を。」ということだが、ここでの売りは「内蔵メモリ2GBの中に、約1000冊以上の本を入れて持ち運べます。」ということなので、取り立てて検証することはない。

一冊1MBというファイルサイズは、白黒でそれほど長くない小説なら、まぁそんなものかなという印象だ。とはいえファイルサイズが倍でも500冊。充分だろう。もちろん本体の大きさを考えると、旅先に持っていくのにもぴったりだ。実際、今回の検証に行くために鞄に入れたときのスッキリ感には感動すら覚えた。

「旅先でもお気に入りの本を。」の判定は「○」

好きなだけ読書を楽しめるか?

最後は「好きなだけ読書を楽しむ」だ。

なぜこのキャッチだけ句点がないのかとか、そういう余計なところに目が行ってしまうが、ここでのポイントは「長時間読んでも目が疲れない」ということだ。

これについては個人差もあるだろうが、特に問題ないレベルといっていいだろう。筆者も検証のために様々な場所で一日中画面を見ていたわけだが、疲れなどは感じなかった。というか、そもそも普通の読書だって長時間行うと目は疲れるわけで、「kobo Touch」でそれ以上に疲れるということはないと思う。

「好きなだけ読書を楽しむ」の判定は「○」

「kobo Touch」は触れ込みどおりの端末なのか?

以上、「kobo Touch」の本体性能を検証した結果、概ね公称通りの楽しみ方が可能という結論に達した。

さすがに世界でヒットしている端末だけあって、重さやサイズ、目への負担などはよく考えられている。タッチパネルの反応速度については十分とはいえないが、ページをめくるだけなのでストレスを感じるほどでもない。

よく言われているページめくりの際の残像だが、これは慣れだろう。ただ気になる人も多いと思うので、できれば実機を触ってから購入を考えるべきである。

一方で課題なのは、初期設定の難しさとコンテンツ不足だ。特に初期設定に関しては説明書の不十分さもあり、この手のガジェットに慣れていない人は途中で投げ出してしまうかもしれない。ショップで使える状態になってから渡される携帯電話並に、手取り足取りサポートすべきだろう。そうでないと、一部で盛り上がるだけで終わってしまいかねない。

また、今はまだ仕方ないとはいえ、コンテンツ不足の感も否めない。これについては日本の出版社の意識が変わらないと難しいかもしれないが、大急ぎで増やして読者のニーズに応えてくれればと思う。