The GNU C Library is used as the C library in the GNU systems and most systems with the Linux kernel.

The GNU Projectは6月30日(米国時間)、The GNU C Libraryの最新版「The GNU C Library version 2.16」を公開した。The GNU C Library(glibc)は、GNU Projectが開発しているC言語の標準ライブラリ実装。GNUオペレーティングシステムやLinuxディストリビューションなどで、標準のCライブラリとして利用されている。

glibcは移植しやすいよう設計されている高性能のCライブラリ。ISO C99やPOSIX.1-2008といった規格に準拠しており、国際化向けのインタフェースも提供されている。glibc 2.16ではx32 ABIのサポートやISO C11(C1X)のサポート、SystemTap向けのコンフィグレーションオプション、IA-64サポートをglibc-portsに移動、数学関数のパフォーマンス最適化などが行われている。

特にglibc 2.16でx32 ABIに対応したところが興味深い。x32 ABI(Application Binary Interface)は、64ビット環境で32ビットのアドレス長が使えるというもの。このサポートが加わったことでx32でコンパイルされたプログラムで、Glibcを使用するプログラムはパフォーマンスを向上させることができる。