Integrated Device Technology(IDT)は6月26日、4G無線基地局用トランシーバ向け低消費電力・低歪みのダイバーシティミキサ「IDTF1162」を発表した。

同製品は、歪みを低減すると同時に、LTE(Long Term Evolution)や時分割複信(TDD:time-division duplexing)の無線通信アーキテクチャにおいて消費電力を削減しながら、RF(2300~2700MHz)からIF(中間周波)に対応したデュアル・ミキサとなっている。高い線形性(+43dBm)の3次インターセプト・ポイント(IP3O)による優れた相互変調削減性能を備えており、4G無線基地局用トランシーバでの多重キャリヤ、多重モードのセルラーシステムに最適という。 また、従来品に比べ、3次相互変調(IM3)歪みを18dB改善し、消費電力を40%削減(標準1150mW)した。これらの特性は、無線カード上の放熱要件を緩和し、インフラ・ベンダがより高い平均フロントエンド利得の設定を利用できるようにしており、より高いS/N比が得られる。最大0.4dBまでの改善されたレシーバのS/N比は、カバー地域の拡張とセルの周辺ユーザへのデータ速度が改善される。

また、電源投入からの素早い設定と、局部発振器(LO)の一定の入力インピーダンスを提供する。これにより、TDDレシーバ・スロット間のミキサをパワーダウンすることができ、より一層の消費電力削減が可能となるという。さらに、密度の高い遠隔無線ヘッドの筐体内のIC向けに、連続的なパッケージ温度(TC)100℃で動作するように設計されている。

なお、パッケージサイズは6mm角。現在、特定ユーザー向けにサンプル出荷を開始している。

4G無線基地局用トランシーバ向け低消費電力・低歪みのダイバーシティミキサ「IDTF1162」