MVPenテクノロジーズの「MVPen」という製品を知っているだろうか? 専用のペンと受信ユニットを使って、メモ帳などに手書きした内容を読み込めるというデジタル製品だ。わかりやすいポイントは"手書き"した内容を"デジタル化"できること。そして、デジタル化した情報を共有できるという副次的なポイントもある。

この製品の優秀なところは、"手書きした内容をデジタル化して保存しておきたい"というニーズと"メモした内容を共有したい"という2つのニーズに対応しているところだ。

さて、そんな「MVPen」シリーズに新顔が登場した。これまでのiPhone/iPad両対応製品とは異なり、iPad専用となるが、"直接画面に書き込める"という特徴がある。そんな新製品「MVPen EN309i」について、ちょっと詳しく見ていこう。

MVPen EN309i

静電式タッチパネル向けスタイラスとはひと味違う、書きやすいペン先

まず、専用のペンと受信ユニットというデバイスの組み合わせは従来製品と一緒だ。異なるのは受信ユニットの扱いで、iPadのDockコネクタに装着して利用する。

付属するのは、専用ペン、受信ユニット、ペン用バッテリ(ボタン電池SR41×2個)、替え芯スタイラス(3本)、クイックスタートガイドなど

専用ペンのサイズは、L142×D13.6mmで重さが約18.6g。受信ユニットのサイズは、W78×D16×H7.4mmで重さが約10.2g。ともに常識的なサイズ・重さで持ち歩きの負担がないのが嬉しい。なお、対応するiPadはiOS 4.0以上が動作するiPad/iPad 2/第3世代iPadとなるので、アップデートさえしていればすべてのiPadで利用できる。

専用ペンは適度な太さで持ちやすい

購入時の状態では替え芯が装着されていない

ペン尻を外すとバッテリとボタン電池(SR41)の挿入部がある

替え芯スタイラスは合計3本付属する。差し込むだけなので装着は簡単

同シリーズの他の製品と違ってiPhoneで利用できないのは、"直接書き込む"というスタイルを考えれば十分納得がいく。つまり、iPhoneの画面では書き込むスペースが狭すぎるのである。直接書き込むというスタイルは、広い画面を持ったiPadにこそ最適なソリューションといえる。

受信ユニットには、Dockコネクタと赤外線受光部がある

第3世代iPadに装着してみた。ユニットをDockコネクタに装着する関係で、利用時はiPadを上下逆にした方が使いやすい

「EN309i」の読み取り機構は赤外線と超音波検知を併用している。これが「MVPen」シリーズの"キモ"だ。

iPadは静電式のタッチパネルを採用しているので、対応アプリと汎用スタイラスを利用すれば本製品と似たようなことはできるが、汎用スタイラスの多くは肉厚で"書く"よりも"押す"ことを念頭に作られた製品が多い。結果として"書く"もしくは"描く"ことでペン先が消耗しやすく、また、静電式のタッチパネルには筆圧というものが必要ないため、スタイラスを利用したとしてもノートに書き込む感覚とはほど遠い。

では「EN309i」の専用ペンは……というと、ペン先が細く堅い。どちらかというと圧力で位置を検知する感圧式用のスタイラスに似ている印象だ。そしてなにより、この細さが"書きやすさ" "描きやすさ"につながっている。

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