漫画家・高橋留美子の短編が、NHK BSプレミアム『高橋留美子劇場』として実写ドラマ化。15日、同局で試写会が行われ、出演する小日向文世、村上淳、水野美紀が出席した。

左から、村上淳、小日向文世、水野美紀 拡大画像を見る

『高橋留美子劇場』は7月8日(日)、15日(日)の2週に渡って放送される。1週目は、宴会の途中で突然、命を失った中年サラリーマン(小日向)とその妻の微妙な夫婦関係を描いた「赤い花束」を。2週目は、不幸が訪れる人の頭上を飛ぶ"赤い鳥"が見えてしまう喫茶店のマスターとその周囲に暮らす人々のドタバタを描いた「運命の鳥」を放送する。

宴会での腹踊りの最中に死んでしまった男を演じた小日向は、「上半身裸で頭には鉢巻、お腹には落書きをした死人の役だと聞き、最初はお断りしようと思ったんです(笑)。ただ、うちの女房が高橋さんの大ファンということで、演じさせていただきました」と笑いを誘いながら出演の経緯を説明。両作品に喫茶店のマスター役で出演している村上は、「小学生の頃から高橋さんの作品を読んでいます。今回の台本も、登場人物がみんなハネている…と言いますか、読んでいてとても気持ちが良かったんですよ。あと、小日向さんの腹踊り姿は笑いをこらえるのが大変でした(笑)」とコメント。同じく、高橋作品のファンだと話す水野は「高橋さんは人間の感情の機微をとてもポップに描く方だと思っています。そのテイストがそのまま入ったドラマになりました。参加できて本当にうれしいです」と喜びを明かした。

劇中でもさえない男を演じている小日向だが、この日は楽屋でも肩を落とす出来ごとがあったそうで、「誰かのマネージャーだと思われたようで、水野さんにあいさつしてもらえなかったんですよ。最近、しょぼい役が多いなって思っていたところだったので"やっぱりか"という感じです…」と自虐的なエピソードを披露。一方の水野は「小日向さんはテレビや映画でものすごい存在感を発揮されているのに、普段はそのオーラを完全に消し去る技術をお持ちなんです。これが本当の俳優なんだなって、今日あらためて思いました。さすがです!」と苦笑いしながらも大先輩をうまく持ちあげた。