計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは6月14日、通信システム設計向け高機能プラットフォーム「SystemVue」の最新版として「SystemVue 2012.06」を発表した。

同バージョンでは、IP化されたリファレンス・ライブラリを用いたベースバンド信号処理ツール、RF回路設計支援ツール、測定システムを融合した高度な設計フローを提供される。具体的には、MATLABの.mファイルをそのまま用いて、ブレークポイントやアサーションなどを設定し、別画面のデバッガで各変数の変化を確認しながら、1行ごとにプログラムを実行することが可能となったほか、「Microsoft Visual C++ 2010」やAldec Riviera PRO HDLコ・シミュレーションへの対応が図られた。

また、SystemVueのW1717 Hardware Design KitとAlteraのQuartusを統合することで、AlteraのFPGA「Stratix」および「Cyclone」をターゲットとしたコード出力が可能となった。

さらに、ライブラリや設計パーソナリティの機能拡張として、合成開口レーダー(SAR)への対応や高速化およびユーザ・インタフェースの改善による出力信号のみでのモデル化の実現、デュアル・キャリアHSPA+への対応などが図られた。

同社では、こうした機能拡張により設計プロセスの早期段階からベースバンドおよびRF物理層の協調設計が可能となることから、手戻りの減少ができ、結果として開発期間の短縮が果たせるようになると説明している。

なお、すでに出荷を開始しており、販売価格は約200万円(税別)から、となっている。

「SystemVue 2012.06」の利用イメージ