ラピスセミコンダクタは6月5日、無指向性リモコンを実現するZigBeeRF4CE対応の2.4GHz無線通信モジュール「MK72750A-01」を発表した。

現在、多くの家電用リモコンには赤外線方式が使用されている。これに代わって、指向性がなく、リモコンと機器の間に障害物があっても操作でき、複数の機器を制御したり、双方向通信やセキュリティ機能などを実現する近距離無線技術として、国際規格ZigBeeR RF4CEが広まりつつある。また、無線リモコンに使われる無線通信LSIでは、リモコンの電池の長寿命化のため低消費電力が求められるが、常時給電されていることの多い本体側においても、待ち受け電力削減のため、低消費電力化が求められている。

一方、同社はこれまで低消費電力無線技術や、IEEE802.15.4回路により低消費電力を実現した無線リモコン用LSI「ML7275」を商品化してきたが、無線特性に大きく影響する高周波回路設計、無線特性調整、評価などの開発を行うには、無線技術開発の経験が必要で、経験の少ないユーザーには、容易に開発できないという課題があった。さらに、開発経験のあるユーザーでも商品開発期間を短縮するため、無線特性調整済モジュールでの提供してほしいというニーズが高まっていた。

こうした状況に着目し、無線特性調整済みアンテナを搭載することで直ぐに電波を飛ばすことができるZigBee RF4CE準拠の同製品を開発。無線通信LSIに「ML7275」を搭載し、低消費電力なRF4CE対応無線リモコンを同製品のみで実現できる。アンテナ付きで無線特性も調整済み、さらに日本国内電波法認証も取得済みであり、容易に開発を開始できる。国内では、直ぐに電波を飛ばし評価、開発を行うことができるので、開発期間の短縮できる。また、同社無線通信LSIを使用しているため、LSIに関わる事項についても迅速で的確な技術サポートを提供できるという。

なお、IEEE802.15.4準拠モジュールとして業界最小クラスとなる送信時で16mA、受信時で21mA、スリープ時で1.0μAの低消費電力を実現している。ZigBeeRF4CEだけでなく、IEEE802.15.4MAC、IEEE802.15.4PHYのレイヤで利用可能なインタフェースを有しており、無線リモコンのみならず、近距離無線ネットワーク全般に使用できる。サンプル価格は2000円(税別)。5月よりサンプル出荷を開始し、8月より量産出荷を開始する予定。評価ボード(単体)は6月より発売する。

ZigBeeRF4CE対応の2.4GHz無線通信モジュール「MK72750A-01」