リクルートマネジメントソリューションズはこのほど、2012年度の新入社員調査結果に関するレポートを発表した。同調査は、3月22日から4月6日まで、同社の新入社員研修「8つの基本行動」受講者696名に対してアンケート形式で実施されたもの。

調査の属性は、男女比が約6:4、最終学歴は大卒以上が約85%、300名未満の企業の新入社員割合が約65%となっている。

「社会人として働いていくうえで大切にしたいと思っていること」を尋ねた結果、上位の回答は3年前からほぼ変わらず、トップから「社会人としてのルール、マナーを身に付けること」「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」「仕事に必要なスキルや知識を身に付けること」と続いている。

「社会人として働いていくうえで大切にしたいと思っていること」 資料:リクルートマネジメントソリューションズ

しかし細かく見ると、上の表の黄色で表記している3項目は、昨年よりも大切にしたいと思っている一方、青色で表記している3項目は逆に選択率が下がっている。同社では、昨今の受講者の行動特徴として見受けられる「分からないままやって間違えたら相手に迷惑をかけ、チームワークを乱すかもしれない」「闇雲に挑戦して失敗するのは非効率。まずは正解や手本のとおりにやれば、無難だし叱られることもない」という様子もこの傾向を裏付けているとしている。

次に「自分が働きたい職場の特徴」を尋ねた結果は、昨年に比べ上位3項目が入れ替わっている。昨年まで上位3項目だった「お互いに助け合う」「アットホーム」「活気がある」(下表の青色表記項目)の選択率が下がり、「お互いの個性を尊重する」「遠慮せずに意見を言い合える」「皆が一つの目標を共有している」(下表の黄色表記項目)の選択率が上がった。

「自分が働きたい職場の特徴」資料:リクルートマネジメントソリューションズ

同社では、昨年の新入社員の特徴「温かな職場の雰囲気でお互いに関わり合い、受け入れてもらいながら働きたい」と比較すると、今年は「職場の温かさも求めつつ、自分たちの個性も認め、受け入れて欲しい」と望んでおり、少子化の影響もあってか、周囲からの承認に慣れて育った傾向が強まっていると分析している。

「上司に期待すること」を尋ねた結果の「望む職場」と同様に、上位3項目が入れ替わり、選択率の差も大きくなっている。「相手の意見や考え方に耳を傾ける」と同時に「言うべきことは言い、厳しく指導する」の選択率が昨年に比べて上がっている(下表の黄色表記項目)。

「上司に期待すること」 資料:リクルートマネジメントソリューションズ

一方、「仕事に情熱を持って取り組むこと」「一人ひとりに対して丁寧に指導する」の選択率は下がっており(上表の青色表記項目) 、上司に求める関わり方が変化しているようだ。同社では、「意見に耳を傾け、メリハリのある厳しい指導をして欲しいと思いながらも、すべてのプロセスに熱心に介入して欲しわけではないという、独特の求める距離感があるようだ」としている。