こちらの既報の通り、NVIDIAが、KeplerベースのデスクトップPC向けではGeForce GTX 680と同690に続く第3のGPU、「GeForce GTX 670」を発表した。発売も順次はじまっており、米国で399ドルとされたカード価格の国内での状況だが、秋葉原のパーツショップでは4万円台前半から、オーバークロックモデルで4万円台後半の値付けとなっているようだ。このGeForce GTX 670のリファレンスカードが入手できたので、GeForce GTX 680とRadeon HD 7970との性能比較をしておこうと思う。

「GeForce GTX 670」のリファレンスカード。基板自体は短いが、冷却ファン部分がせり出しており、GTX 680より少し短い程度のカード長になっている

スペックちょい抑制Keplerの実力は?

GPUとそれを搭載するリファレンスカード、そして今回のテスト環境の紹介をしておこう。まずはGTX 670の主な仕様を、GTX 680と比較しながら見てみよう。

■GTX 680との仕様比較
モデル GeForce GTX 670 GeForce GTX 680
製造プロセス 28nm TSMC 28nm TSMC
トランジスタ数 35.4億個 35.4億個
ダイサイズ 294平方mm 294平方mm
CUDAコア数 1344基 1536基
ROP数 32基 32基
テクスチャユニット数 112基 128基
GPUベースクロック 915MHz 1006MHz
GPUブーストクロック 980MHz 1058MHz
メモリクロック 6008MHz 6008MHz
メモリタイプ 2GB GDDR5(256bit接続) 2GB GDDR5(256bit接続)
TDP 170W 195W
補助電源ピン 6ピン×2 6ピン×2
出力端子 DL DVI×2、DP×1、HDMI×1 DL DVI×2、DP×1、HDMI×1

GeForce GTX 670のGPU-Z情報

参考までにGeForce GTX 680のもの

公開されたトランジスタ数やダイサイズ、そしてROP数も変わっていない一方、CUDAコア数で192基、テクスチャユニット数で16基少なく、GPUクロックも多少ダウンしているのがGTX 670の仕様の特徴だ。KeplerのGK104コアでは、CUDA×192基、テクスチャユニット×16基で、1基のストリーミングマルチプロセッサ(SMX)を構成しており、GTX 680ではSMXを8基すべて有効にしていたところ、GTX 670は同じダイだがSMXを7基までに抑制しているということだろう。

Kepler(GK104コア)のブロックダイアグラム。図中で緑色の四角形がCUDAコア

さて、今回のテスト環境だが、主なものを以下の表にまとめておく。このうち、今回新規でテストしたのはGeForce GTX 670のみで、GeForce GTX 680とRadeon HD 7970に関しては、テスト環境をあわせることで、こちらのGTX 690のレビュー記事で用いたものを流用している。ドライバのバージョンに少しだけ違いがあるが、テスト時期がかなり近いので、それほど問題にはならないと考える。

■今回のテスト環境
カード/GPU GeForce GTX 670 GeForce GTX 680 Radeon HD 7970
GPUドライバ ForceWare 301.34 ForceWare 301.10 Catalyst 12.4
CPU Intel Core i7-3770K(3.50GHz)
M/B GIGABYTE GA-Z77X-UD3H(Intel Z77 Express)
RAM Corsair CMZ8GX3M2A1866C9 4GB×2枚
Storage Plextor PX-128M2P 128GB SSD
Power ENERMAX REVOLUTION87+(ERV750AWT-G) 750W 80PLUS GOLD
OS Windows 7 Ultimate SP1 64bit

以上でテストの前置きは終わり。それでは、次のページからはベンチマークテストの結果を見ていこう。