もう1つの導入事例は、大阪大学の学内ポータルサイト「マイハンダイ」だ。学生と教職員あわせて3万人が利用するイントラサイトが「Plone」で構築されている。

CMSコミュニケーションズ 代表取締役 寺田学氏

「2011年にリニューアルするまではFTPで管理している部局リンク集だった。新たなサイトは閲覧にログインが必要なイントラサイトで、コンテンツの作成は主に担当職員が行い、内部向けの動画公開や科研費などの申し込みなども行える」と語るのは、制作を手がけたCMSコミュニケーションズの代表取締役である寺田学氏だ。

非常に多くのユーザーが存在するため、履修登録期間などは多くのアクセスがあり、現在のところ最大で1日に14万PVを記録したという。これに対応するためにキャッシュ構成など対策はとっているが、寺田氏は「Plone4は相当速い」と語る。

シングルサインオン(SSO)が必要であるため、マイハンダイでは「shibboleth」を活用。ユーザー種別を学生・教員・職員と分けて必要な情報のみを表示する。

「マイハンダイ」管理ページ

「Ploneではコンテンツごとに共有設定ができる。横断的に設定確認や変更が可能で、見せたい相手にだけ見せるように設定が可能。さらに、問い合わせメールにログインユーザーの属性をつけることで、問い合わせ対応も効率化した。たとえば、科研費申請フォームが見当たらないという問い合わせが学生の属性で来ていれば、それはあなたが学生だからだとすぐ返せる。大学には立場が曖昧な人も多く、こういう工夫が有効だった」と寺田氏は語る。

実際にログインしたユーザー属性によって表示される内容が変わるデモなども交えて解説が行われ、今後はコンテンツの英語化やさらに細かいユーザー種別に分けることで表示内容にオリジナリティを出すことなどにも取り組みたいと語られた。

「マイハンダイでカスタマイズを行ったのは、デザインやCSSの変更、ワークフローのカスタマイズなどと、部分的に便利ツールを作ったことなど。高負荷に耐えるようにキャッシュも導入したし、SSO認証プロダクトも作成したが、SSO認証に関しては既存でも対応可能。Plone標準で多くのことが実現できる」と寺田氏は語った。