韓国Samsungが開設したティザーサイト

韓国Samsung Electronicsが4月23日(米国時間)にスタートした新しいティザー広告が話題になっている。そのサイトによれば、バラバラのアルファベットを並べ替えて出現するキーワードをURLに入れてジャンプすると、話題の新製品に関する広告サイトが出現する仕組みだ。「The Next Galaxy」のサイトでは英ロンドンで5月3日19時(現地時間、日本時間で5月4日午前3時)に開催される「Unpack 2012」というイベントの予告が行われており、ここでは同社の次期主力端末「Galaxy S III」が発表されるものとみられている。

Galaxy S IIIに関する話題は以前よりあったが、今回Samsungのプライベートイベントで正式発表が行われる見込みだ。Unpack 2012についてはすでにメディア関係者に招待状が送られており、ここでの発表の可能性が高いとされている。Samsungは過去の「Galaxy S」シリーズについて、初代Sについては2010年3月に米ラスベガスで開催されたCTIA Wireless、2代目S IIについては2011年3月に米オーランドで開催されたやはりCTIA Wirelessでの併設イベントで発表している。今年のCTIA Wirelessは2012年5月8日より米ニューオーリンズで開催される予定だが、Samsungは同展示会への出展ならびに併設イベントの予定がなく、今回の話を総合する限り、CTIA Wireless開催前週にあたるタイミングで新製品の発表を行うことになりそうだ。詳細についてはGoogle Playで提供されている「Unpacked 2012」というアプリで最新情報を取得してほしい。これまで主力製品の発表は米国で行うことの多かった同社だが、現在ヒット商品となっているGalaxy TabやGalaxy Noteは欧州での展示会で発表されており、フラッグシップ製品の発表がロンドンになるというのはある意味で象徴的だ。

このイベントで発表されるSamsungの新製品が同社のフラッグシップであるとみられる一方で、同製品が大々的なアップデートではないという話も指摘されている。CNETが英国の携帯キャリア関係者に聞いた話を伝えたところによれば、発表が間近とみられる新製品はS IIの後継だが、その内容はマイナーチェンジに留まり、名前も「Galaxy S III」にはならない可能性があるとしている。また先ほど招待状が届いたことを報じたメディアでは、この新製品が4.6インチのペンタイルベースのSuper AMOLEDを採用し、解像度は1280×720のHDクラスのものになるとしている。さらにThe Vergeでは、このGalaxy Sシリーズの新製品で採用されるプロセッサがクァッドコアとなるが、それはTegra 3ではなく、Samsungが米国のFabで製造を進めている32nmでARM Cortex-A9ベースの「Exynos」である可能性が高いとしている。これらの噂は事前に予想できる範囲から逸脱しておらず、実際に出てくる製品の形に限りなく近いものとみられる。 興味深いのは、大々的なプライベートイベントで発表される製品ではあるものの、スペック以外の特徴的な話題がないことだ。Androidが出回り始めたころ、Galaxy Sのフラッグシップを中心にハイエンド製品で攻めていたSamsungだが、最近ではGalaxy Yのような低価格シリーズやタブレットのTab、そして新機軸のNoteなど、製品バリエーションが拡大してユーザーの裾野が大きく広がっている。徐々にだが、ハイエンド製品が積極的に市場を牽引するトレンドが転換点を迎えつつあるのかもしれない。

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