Greenpeace Internationalが4月17日(米国時間)にデータセンターを運営するIT企業の環境対策を格付けしたレポート「How Clean is Your Cloud」を公開した。Google、Yahoo!、Facebookなどのクリーンエネルギー利用を高く評価し、またデータセンター技術のオープン化や情報共有の効果を認める一方で、「Apple、Amazon、Microsoftは、21世紀に広がるクラウドの汚染源になっている」と厳しく非難している。

クラウドサービスを提供する企業で「クリーンエネルギー指数」がもっとも高いのは56.4%のYahoo!。Google (39.4%)、Facebook (36.4%)が続く。Yahoo!はワシントン州(2007年)とニューヨーク州(2009年)のデータセンターにおける再生可能エネルギー活用が高く評価された。ただし「透明性」がC評価で、クリーンエネルギー対策の見通しが今後の課題として挙げられている。Googleは透明性でB評価を獲得、情報を積極的に公開する姿勢が評価されている。再生可能エネルギーへの投資もA評価を受けているが、最近のアジア(シンガポール、台湾、香港)での展開が再生可能エネルギー優先に矛盾すると指摘されている。Facebookは透明性がD評価だが、スウェーデンに新しいデータセンターを建てるなど再生可能エネルギー活用の一貫性が評価された。

Apple、Amazon.com、Microsoftのクリーンエネルギー指数は、それぞれ15.3%、13.5%、13.9%。Appleは石炭からの電力の比率が55.1%と高い。同社はノースカロライナ州メイデンに太陽光発電と燃料電池を活用したデータセンターを建設しており、来年のレポートで同社のグリーンIT戦略が評価されることになる。Amazon.comはTwitterと共に透明性がF評価を受けており、かつ唯一、再生可能エネルギーへの投資でもF評価を付けられた。MicrosoftはD評価が1つ(インフラ立地)だけだが、データセンターポリシーにおける環境対策が弱いとして全体的に評価を上げられなかった。

クリーンエネルギー指数を比較すれば、Salesforceが4%、Oracleが7.1%、IBMが12.1%だ。これらを上回るApple、Amazon.com、Microsoftを、Greenpeaceが名指しで非難している理由は規模の違いである。「クラウド上にビジネスを構築する最大規模のIT企業でありながら、電力ソースに関して適切な対策を講じないまま急速に拡張し、汚れたエネルギーに頼ったままクラウドを動かしている」としている。

企業名 クリーンエネルギー指数 透明性 インフラ立地 エネルギー効率 再生可能エネルギー
Amazon.com 13.5% F F D F
Apple 15.3% D F D D
Facebook 36.4% D B B C
Google 39.4% B C B A
Microsoft 13.9% C D C C
Twitter 21.3% F D F D
Yahoo! 56.4% C B B B