富士通は4月4日、九州大学(九大)情報基盤研究開発センターの「スーパーコンピュータシステム(スパコンシステム)」および「高性能演算サーバシステム」から構成される次世代システムを受注したことを発表した。

スパコンシステムはSPARC64 IXfxプロセッサを搭載する「PRIMEHPC FX10」などから構成される一方、別調達となる「高性能演算サーバシステム」はPCサーバ「PRIMERGY CX400」によるPCクラスタで構成される。この2つのシステムの計算ノード数は、「PRIMEHPC FX10」が768ノード、「PRIMERGY CX400」が1,476ノードで、総理論演算性能は、691.7TFLOPSとなり、九州地区では最大規模のシステムとなる予定だという。

また、HPCミドルウェアとして、ペタスケールシステムに対応した「Technical Computing Suite」、ログインノードなどとして、66台の「PRIMERGY」シリーズをあわせて導入する予定としている。さらに、ストレージとしては、合計容量4.6PBとなるストレージシステム「ETERNUS」を導入するほか、そのファイルシステムは大容量、高性能、高信頼分散ファイルシステム「FEFS」によって構築されるという。

同システムは2012年7月より順次稼働を開始し、情報基盤研究開発センターのさまざまな科学技術分野における先端的な研究、教育へ利用されるほか、企業の活用も予定されている。なお、同センターでは、2012年後期には、高性能GPGPUの搭載も計画しているとのことで、これにより計算流体力学、分子科学分野をはじめとするアプリケーション性能の向上が見込まれるとしている。

最大98,304ノードの構成により23.2PFLOPSを実現可能な富士通のスパコン「PRIMEHPC FX10」