NECは29日、ネットワーク機器の大幅な省電力化を実現するCPU制御技術を開発したことを発表した。ネットワークの負荷状況に応じて、ネットワーク機器に搭載した多数のコアを持つCPUの稼働状況を動的に制御することで、消費電力を削減するというもの。

発表によると、ネットワーク機器に搭載したメニーコアプロセッサ(多数のコアを持つCPU)について、従来は考慮されていなかった、ネットワークの負荷状況に合わせた各コアの稼働の最適な制御を行うことで、何も制御しない場合と比較して1日あたり約25%の消費電力削減が可能になる。

具体的には、ネットワークの負荷が非常に低い時にCPUの稼動コア数を動的に低減。これにより、処理に必要な性能を維持したまま、ネットワーク機器におけるCPUの消費電力を約45%削減。また、高負荷なネットワーク状況では、頻発する瞬間的な負荷の増減に合わせて、CPU各コアの稼動(動作/休止)を高速に制御。この制御を繰り返すことで、ネットワーク負荷がピーク値の20%に落ち込んだ瞬間に、何も制御しない場合と比較して約20%削減する。

同社では今後も研究開発を進め、この技術をメニーコアプロセッサ搭載サーバに応用するなど、ICT機器の省電力化に向けた技術開発に取り組む考え。