フィンエアーの「クオリティハンター」というプログラムご存知だろうか。フィンエアーを利用して、ヨーロッパやアジア、アメリカなど就航都市を2カ月かけて次々と旅し、フライトの快適性や空港施設、観光、食などの観点から調査し、評価するプログラムだ。

昨年10月~12月にかけて、世界各国から選ばれた7名(最終的には8名)のクオリティハンターが世界中を旅してまわっていた。旅行中、専用ウェブサイトにてそれぞれの体験を報告し、また同サイトではSNSを通して一般の人々もディスカッションに参加できる。

アジアからは日本人の永井あさみさんが選出。クオリティハンターはそれぞれ、「交流」「サービス」「飲食」など担当カテゴリを持ち、永井さんは「ショッピング」を担当した。ヘルシンキをはじめニューヨーク、チューリッヒ、ベルギー、ロンドン、バルセロナなどを旅していった永井さん。全行程終了後には、クオリティハンターによるプレゼンテーションを行い、ここでは実現可能なアイデアが求められたという。

クオリティハンタープログラム中の永井あさみさん

永井さんはフィンエアーのプレオーダーを実際に利用して、最後のプレゼンで改善点を提案した

フィンエアーのプレオーダーサービスを実際に旅行中に使っていた永井さんは、「プレオーダーのシステムの簡略化・アジア言語での対応」を提案し、さらにはフィンエアーの拠点となるヘルシンキ空港についても次のように提案した。「アジアからの乗客にヨーロッパへの玄関口であることを強くアピールするために、ヘルシンキ空港に他のヨーロッパの国の一流デパートを出店してもらい、ヨーロピアン・ショッピング・モールをつくってはどうか。ヘルシンキに到着した段階でハロッズやプランタンを見れば、ヨーロッパに来たという実感がわくだろうし、帰国のためのトランジット時間に、買いそびれたものを購入してくれる可能性もある」。

フィンエアーとしては、実際の利用者からの生の声を聞くことがサービス向上への最善策と考えており、クオリティハンターのレポートやSNS参加者からの意見はフィンエアーの製品開発部門スタッフによって検証され、今後のサービス等の向上に何が必要かを知る上での参考材料になるという。今回のクオリティハンターからの提案により、ヘルシンキ空港でのアートギャラリーの設置とbook swapの実施が採用された。