Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは3月15日、車載用ブラシレス直流(BLDC)モータ制御ソリューションとなる16ビットのミクスドシグナルマイコン「S12 MagniV」として「S12ZVM」を発表した。

同製品は、直流(DC)モータからBLDCモータへの移行を狙ったもので、1チップ上にマイコン、MOSFETゲートドライブユニット、電圧レギュレータ、およびLIN物理レイヤを統合したものとなっている。そのため、従来、これらの機能を実現するために用いていた2~4個のチップを1個に集約することが可能になるため、同様の機能のディスクリートソリューション比で、プリント基板のフットプリントを最大50%縮小することが可能だ。

コアとなるS12Zは、100MHzで動作し、従来のバージョンに比べて幾つかの機能強化が図られている。大きなポイントとしては、アドレス空間のリニア化(メモリ・ページングが不要)によるソフトウェア開発の容易化、およびアプリケーション間の移行容易化が成された。また、フィールド・オリエンテッド/ベクトル制御アルゴリズムなど、高度なモータ制御技術で多用される小数点演算を高速化する命令群も導入されたほか、開発パートナーであるCosmic Softwareとの協力によるコードサイズの縮小なども図られているという。

なお、S12ZVMファミリは第1弾製品として64LQFPパッケージ品を2012年第1四半期より一部カスタマ向けにサンプル出荷を開始する予定のほか、同第2四半期より48LQFPパッケージ品をサンプル出荷する予定。また、一般向け供給は2012年下期を予定しているという。