LSIは、デスクトップおよびモバイルHDD市場に向けて28nmプロセス採用SoCのサンプル出荷を開始したことを発表した。28nm SoCへの移行は、S/N比(信号対雑音比)の性能改善により面密度の増加とイールド改善を実現し、HDD上に記録可能なデータの量を飛躍的に増大させ、コスト効率に優れた設計・製造を可能にすると同社では説明している。

高精細度のビデオや写真のようなリッチ・メディアによって加速されたデジタル・コンテンツの爆発的増加により、HDDメーカーはより大容量で、よりエネルギー効率に優れたドライブの提供を要求されている。同製品を活用することで低消費電力性能を維持しながら次世代クラスの大容量化の要求を満たし、低リスクで市場投入期間を短縮できるようになる。

今回発表したSoC「LSI TrueStore」は、1チップにHDDの電子回路システムのすべての中核要素を搭載した集積回路となっており、HDDメーカー向けに、ドライブのコストを抑えながらディスク・ドライブ開発の単純化、信頼性の向上、および低消費電力化を達成できるように設計されている。

なお、28nm SoCに搭載されたキーデバイスは、第3世代のロー・デンシティ・パリティ・チェック(LDPC)反復デコーディング・アーキテクチャを採用したリード・チャネルを含む「LSI TrueStore RC5100」である。28nm RC5100は40nmノードでのLDPCアーキテクチャの成功を基に構築されており、HDD OEMの顧客に面密度の増大に向けたシームレスなロードマップの作成を可能にしている。