メイド喫茶をはじめとするコンセプトカフェがブームになって久しい。筆者もこれまでたくさんのお店を取材してきたが、ふと「こうしたコンセプトカフェの原点はどこなんだろう? 」という疑問を抱いた。

そこで色々と調べていくと、あるお店の存在が見えてきた。アメリカで誕生し、1973年に日本に上陸した「アンナミラーズ」だ。

「アンナミラーズウィング高輪店」

といってもアンナミラーズはメイド喫茶ではなく、ペンシルベニア・ダッチスタイルの家庭料理を中心に、季節のパイやスイーツを提供する本格的なカフェレストランである。ではなぜアンナミラーズがメイド喫茶の原点と思ったのか。それは実際に店へ足を運んでみてもらうとわかる。

ちなみにアンナミラーズは現在、東京・品川駅高輪口から徒歩1分に位置する複合施設、ウィング高輪の2階で営業を行う「ウィング高輪店」1店舗のみ。1973年に1号店をオープンさせ、長年にわたって展開してきたが、今年1月に横浜の店舗がクローズし、そういった意味でもウィング高輪店はとっても貴重な店舗となるわけだ。

アンナミラーズといえばあの制服

ウエイトレスさんが出迎えてくれました

店内に入ると、ピンクと白のかわいい制服のウエイトレスさんが元気よく出迎えてくれた。そう、アンナミラーズがメイド喫茶に与えた影響とは、この制服のデザインなのである。

現在のメイド喫茶の衣装に比べると落ち着いた雰囲気だが、前述した通り、アンナミラーズはそもそもメイド喫茶ではなくレストランである。あくまでもウエイトレスとしての上品さを失わず、それでいて男性の視線を釘付けにするこの制服デザインは、何と39年もの間ほぼ変わらず踏襲されているという。

ちなみにアンナミラーズの影響はメイド喫茶だけに留まらず、漫画やアニメ、ゲームにも似た衣装はたびたび登場している。さらに1997年のTBS系ドラマ『理想の結婚』では主演の常盤貴子がアンナミラーズの制服を披露し、2006年のフジテレビ系ドラマ『役者魂! 』でも松たか子が制服姿を披露するなど、"かわいい制服のウエイトレスといえばアンナミラーズ"として定着しているのだ。

こんな店員さんに運んでもらったら、料理も倍おいしい