"バカンス"の本場、フランス発のクラブメッド

クラブメッド代表取締役社長・瀬口盛正氏

世界中に約80のリゾートを有するクラブメッド。他のホテルやリゾートとは一線を画すユニークな特徴を持ち、「休暇を取るならクラブメッド」という根強いファンが多いことでも知られている。航空券や宿泊代に加え、食事や各種アクティビティなどの料金が全て含まれる「プレミアム オールインクルーシブ」というシステム、フレンドリーなスタッフ「G.O」(ジーオー)の存在が大きな特徴となっている。クラブメッドがこのようなスタイルを採用しているのには、「会社の成り立ちや歴史が大きく関係しています」とクラブメッド代表取締役社長・瀬口盛正氏。ということで、まずはクラブメッドの歴史をご紹介していこう。

クラブメッドは、フランスで1950年誕生した。はじまりは、地中海・マジョルカ島のビーチに張ったテント村。美しい自然の中、ゲスト同士が一緒に様々なスポーツを楽しんでもらうことが一番の目的だったという。その"リゾート"は大好評となり、その後も「バカンスを通じてハピネスを提供する」という理念のもと、世界各地へ展開を進めていく。ちなみに、バカンスがフランス語であることは多くの人がご存知であろう。クラブメッドはバカンスの本場であるフランスから世界へ羽ばたいたブランドなのだ。

クラブメッドの「3つの特徴」

クラブメッドを特徴づける要素は、主に3つある。まず1つ目が前述の「プレミアム オールインクルーシブ」。カリブなど中米をはじめとした海外リゾートではかなり普及しているシステムで、滞在中の食事やアクティビティ等ほぼすべてが旅行代金に含まれている。バーでのアルコール(一部を除く)なども追加代金不要で楽しめ、スノーリゾートならスキーやスノボのレッスン、海のリゾートならマリンスポーツなどのアクティビティもプレミアム オールインクルーシブに含まれており、スキーやスノーボードのプライベートレッスンなど例外はあるが、大抵は追加代金を支払うことなく楽しめる。つまり滞在中は、お金のことを心配せずに財布も持ち歩かずに過ごせるのだ。一度体験してみると、非常に気楽で解放感がある。

マリンリゾートではカヤックやウィンドサーフィンのプログラムが、スノーリゾートではリフトやゴンドラ料金、スノボ&スキーレッスンもプレミアム オールインクルーシブに含まれる

次に2つ目の要素が、G.O(ジーオー: Gentle Organizerの略)と呼ばれているクラブメッドで働くスタッフたち。世界中で約2万人いるという彼らは、国籍約100カ国、言語30以上とまさにインターナショナル。スタッフは1リゾートでの固定勤務ではなく、世界中のクラブメッドをまわっていくため、日本のクラブメッドでも各国の言語が飛び交っている。ゲストとG.Oとのコミュニケーションを重視しているため、ゲストと同じテーブルで食事をとったりお酒を楽しんだり、すれ違いざまにも気軽に話しかけてきたり。これが独自のフレンドリーな雰囲気につながっているのだ。

G.Oの国籍は様々。ゲストも様々な国から訪れているため、日本国内のリゾートであっても海外に滞在しているような気分になる

3つ目の要素は、ロケーションである。自然豊かな場所を重視しているので、やや不便な立地のリゾートもある。アクセスには少々時間がかかるが、その分、海のリゾートにしても山のリゾートにしても、「こんな場所があったのか」と感動するほどの美しい光景が広がる。利便性より美しい自然を優先する姿勢を同社は貫いており、リゾートを建設する際にも、自然をできる限り壊さず施設と融合させる形で建設する。どのクラブメッドに行っても「ここにしかないリゾート」と感じるのは、こういった立地によるところも大きいだろう。