Linear Technologyは、4つ以上の電源レールを装備する電源システムのデジタル・マネージメントを可能にするEEPROM搭載電源マネージャ「LTC2974」を発表した。同製品は、I2C/SMBusシリアル・インタフェースとPMBus準拠のコマンドセットを採用することで、正電源・負電源ともにモニタと制御を可能にし、電源システムの設計・開発・製造に加え、故障解析時のスピーディなトラブルシューティングやデバッグも可能としている。

4つのチャネルを持つ同製品は、電圧、電流、外部温度の同時モニタができるほか、MOSFET のRDS(ON)やインダクタのDCRの変動を補正することも可能だ。各チャネルともに専用でフル機能のモニタ、スーパーバイザ、シーケンシング、マージニング、トリミング、フォルト保護などの機能を装備しているという。

また、同製品は4つの電圧サーボにソフト接続を備えた10ビット DACを採用することで、精度の高い電源電圧の調整を可能にした。しかも、同製品の電源に関する全機能が全未調整誤差±0.25%未満の差動入力16ビットΔΣの精度を実現。そのほか、同製品は内部EEPROMへのブラックボックス・フォルト・ログ機能によりフォルト発生時の故障診断も可能だ。

なお、同製品はRoHSに準拠した64ピン9mm×9mm QFNパッケージで供給され、仕様はコマーシャル温度範囲とインダストリアル温度範囲で規定。参考単価は1,000個の場合で885円からとなっている。また、4つの電源を個別管理するLTC2974 の評価用として、USBベースのPMBusコントローラDC1613付きの「DC1856デモ・システム」も提供されるという。

EEPROM搭載の電源マネージャ「LTC2974」