タカラトミーは2月8日、実写映画3部作でもはや玩具の域も飛び越えたワールドワイドな人気を持つロボットキャラクター「トランスフォーマー」の大雪像を、第53回旭川冬まつりで公開した。まつりは同日からスタートし、大雪像は12日(日)まで一般公開される。入場料は無料だ。

今冬もマイナス30℃を複数回記録し、明治35年(1902年)には上川測候所(現旭川地方気象台)が富士山頂の記録よりも低いマイナス41.0℃という「日本一寒い街」として知られる旭川。そこで行われている旭川冬まつりは、昭和35年(1960年)にスタートし、今年で53回を数える(雪像で有名な同じく北海道の札幌雪まつりは1950年より開催)。実施場所は石狩川旭橋河畔、平和通買物講演となっており、毎日9時から21時まで開催(最終日は20時)。

旭川冬まつりの雪像は、除雪で集められた雪の山の処理で困っていた時に、雪像に変身させるということを思いついたそうだ。今年の大雪像には、約7万立方メートルの道路の排雪が使用されており、雪像の周囲には真っ白な雪のブロックを貼り付けて雪化粧が施されている。

今回、タカラトミーが同まつりの実行委員会に協力して製作したキャラクターは、4月7日(土)朝8時から日本での放送開始(キー局はテレビ愛知、テレビ東京ほか系列局でも放映)を予定している新作のCGアニメ「超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム」版の「オプティマスプライム」(画像1・2)。ご存じ正義側のオートボット(サイバトロン軍団)のリーダー(司令官)だ。

画像1。「超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム」のロゴ。(c) TOMY (c) TOMY / テレビ愛知・電通

画像2。「超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム」版のオプティマスプライム。ハリウッド映画版に近い雰囲気で、デフォルメが特徴的だった前作「トランスフォーマー アニメイテッド」からは一転してリアル志向。(c) TOMY (c) TOMY / テレビ愛知・電通

この新作アニメ版オプティマスプライムと、JR旭川新駅舎を組み合わせた形でデザインされた(イメージとしては、オプティマスプライムが駅舎にトランスフォームした感じ?)。サイズは横幅が約130m×奥行き約40m×高さ約20mと超巨大で、全長約100mの雪と氷の滑り台が2本設置されている。まさに世界最大規模のサイズだ(画像3・4)。

画像3。横幅が約130m×奥行き約40m×高さ約20mという超巨大サイズ。左下の方にいるヒトと比べるとその大きさがわかる。ちなみにこのデザインは、オプティマスプライムが駅舎をスキャンしたという設定?

画像4。雪像上部に位置するオプティマスプライムの顔。4月から国内での放送がスタートするアニメ「超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム」のオプティマスプライムがモチーフとなっている

ビルの約4階に相当する高さのところにはテラスが設置されており、実際に雪像に上がってその大きさを体感することが可能。また、滑り台のスタート地点はテラスの上にあるオプティマスプライムの顔近くの、約14mの高さで、なかなか体験できない迫力を味わえる。

デザインは東海大学非常勤講師の大谷薫氏が担当し、製作は陸上自衛隊第2師団の約240名(1日当たり)の隊員からなる「製作協力隊」が担当し、約1カ月をかけて完成した(画像5~9)。

画像5。雪の積み始め。自衛隊の製作協力隊と、パワーショベルなどの重機が運んでいる

画像6。まずは四角い雪野ブロックを積み上げ、そこから削りだしていく形となる。この時点で足場は6段。大変な作業だ

画像7。オプティマスプライムの顔の部分にも足場を組んで雪のブロックを積んでいるところ

画像8。かなり造形作業が進み、グルービングが施されている。顔もかなりそれらしくなってきている

画像9。そして足場が外され、完成

また、トランスフォーマーのハリウッド映画3部作でも人気キャラクターだった「バンブルビーも会場中央で雪像となっており」(デザインは新作アニメ版)、こちらは旭商Eチーム'63が製作し、約3.5mの高さだ(画像10・11)。そのほかにも、会場の各所に新作アニメ版のキャラクターたち10体以上が雪像となって潜んでいるということだ。

なお、今週末の11日・12日には「トランスフォーマーを見つけて旭川米をゲット!~探せ! ト"ライス"フォーマー~」と題したイベントが実施される。イベントに参加すると、探すべきトランスフォーマーの雪像が指示されるので、それを見つけたら携帯電話のカメラやデジカメなどで写真に撮って事務局に持参すると、先着で合計200名に旭川ブランド米「大雪山見て育ったの」(3号450g)をもらえるということだ。

画像10。新作アニメ版のバンブルビー。基本はハリウッド映画3部作版を踏襲している感じだが、前作アニメのヤンチャな(少し子どもっぽい)雰囲気も出ている感じだ。(c) TOMY (c) TOMY / テレビ愛知・電通

画像11。新作アニメ版のバンブルビーの雪像。上半身を中心としたデザインとなっている

さらに、冬の旭川の味覚を楽しめる「冬マルシェ」ブースにおいて、「トランスフォーまん」と題したキャンペーンも実施。冬マルシェにて販売される旭川ご当地B級グルメ「あったか旭川まん」を購入したヒトに、先着または抽選でトランスフォーマーグッズがプレゼントされる。

そのほか、大雪像の向かい側に設置され、会場を見渡せる雪野バルコニー(幅約60m×奥行き約20m×高さ約10m)は、をモチーフとした「バンブルビーゲート」となっていたり、休憩所「ほっ。とラウンジ」では「トランスフォーマーミュージアム」として歴代作品と最新シリーズの玩具が展示されていたりするほか、新作アニメの映像を放送する形だ。

また、夜間にはライトアップが行われ(画像12)、毎日19時からは音と光のファンタジックショーが開催される。最終日は16時からグランドフィナーレで、19時からは花火が打ち上げられる予定だ。

画像12。夜間のライトアップされたオプティマスプライムの雪像

なお、今回の旭川冬まつりとのコラボレーションは、「たくさんの雪を雪像に変形させること」と「寒さや雪を楽しみに変える」ことが、トランスフォーマーの「変形」というコンセプトと合致したことで実現した。

また、トランスフォーマーは玩具の発売当初から「Robots in Disguise(すべてのものにロボットは潜んでいる)」という有名なコンセプトがあり、雪の中にさまざまなトランスフォーマーたちの雪像を潜ませ、そのコンセプトの持つドキドキワクワクするような夢や期待をより身近に、よりリアルに、五感で大自然の中で感じてほしいとの想いを込めているとのことである。