日本オラクル 代表執行役社長兼最高経営責任者 遠藤隆雄氏

日本オラクルは1月24日、2012年の事業戦略および注力分野に関するプレスセミナーを開催した。同セミナーでは、同社の代表執行役社長兼最高経営責任者を務める遠藤隆雄氏をはじめ、経営層が説明を行った。

初めに、遠藤氏が同社の事業戦略である「SIMPLIFY I.T.」について語った。「現在のシステムは部品ごとに組み合わせて構築されているためフラグメンテーションが生じており、企業ではアプリケーションの改修時に作業が複雑になりトラブルが発生している。その一方で、企業は保存できないことが理由で、毎年データを捨てている」と同氏。

加えて、企業は「ビッグデータ」「モバイルコンピューティング」「クラウドのサイロ化」といったITにまつわる課題を抱えており、こうした課題を解決するためのコンセプトが「SIMPLIFY I.T.」というわけだ。

同氏は「SIMPLIFY I.T.」を実現するため、2012年に注力する分野として「Oracle Fusion」シリーズと「Engineered Systems」を挙げた。

日本オラクルの2012年の注力分野は「Oracle Fusion」シリーズと「Engineered Systems」

続いて、専務執行役員 製品事業統括兼テクノロジー製品事業統括本部長を務める三澤智光氏から、ソフトウェア事業について説明がなされた。同社のソフトウェア事業は「Database事業」「EPM/BI事業」「Middleware事業」「Application事業」「戦略製品事業」という5つの柱から成る。

Database事業の主力製品としては、ビッグデータと呼ばれる大規模データの取得・整理・分析を行うためのアプライアンス「Oracle Big Data Appliance」が挙げられた。同氏は、「ビッグデ―タというと、非構造化データの取り扱いばかりフォーカスされるが、それだけではビジネスには役に立たず、非構造化データと構造化データのマッチングを行う必要がある。そうした点までサポートできるのはオラクルだけ」と、ビッグデータ分野における同社の優位性をアピールした。

EPM/BI事業の主力製品としては、「Oracle Exalytics In-memory Machine」が紹介された。同製品は、BIアプリケーションやプランニング・アプリケーションのパフォーマンスを向上するインメモリBIマシンだ。「BIのボトルネックとなっているのはダッシュボードの表示だが、Exalytics In-memory MachineではこうしたBIにおけるパフォーマンスの課題を解決する」と同氏。

執行役員 システム事業統括 野々上仁氏からは、ハードウェア事業についての説明が行われた。同氏は、ハードウェア事業の注力製品として「SPARC SuperCluster」を挙げた。同製品は、SPARC/Solarisというプラットフォーム上に、Oracle ExadataとOracle Exalogicの機能を搭載したシステムである。

加えて、重点領域は「付加価値プロダクトのボリューム展開」「Engineered Systemsによる基盤刷新」「クラウド/ビッグデータ領域におけるストレージ導入の加速」となる。

日本オラクル システム事業の2012年の重点領域

同社は昨年に米国で開催した「Oracle OpenWorld」で大きな発表をいくつも行ったが、今年4月には4年ぶりに「Oracle OpenWorld Tokyo」、7年ぶりに「JavaOne Tokyo」を開催することを発表しており、その内容も注目されるところだ。