Maxim Integrated Productsは1月3日(米国時間)、環境光センサと近接センサを融合した光センサ「MAX44000」を発表した。同製品は独自のBiCMOS技術を使用して設計されており、3つの光学センサ、2つのA/Dコンバータ(ADC)、およびデジタル機能を2mm×2mm×0.6mmの鉛フリー6ピンUTDFN-Opto-EPパッケージに集積している。

高集積化によって基板スペースを節減するとともに、光融合および人間の目と同じような優れた光検出性能を実現している。また、-40℃~+105℃の範囲で動作するため、システムの堅牢性を向上することが可能。また、消費電力が低く、環境光センサをイネーブルした場合で5μA、近接センサと環境光センサの両方を作動させた場合でも7μAを実現しており、これによりアプリケーションのバッテリ寿命の延長が可能となる。

同社では同製品について、スマートフォン、ポータブル機器、産業用センサ、およびプレゼンス検出を含むタッチスクリーンアプリケーションに適していると説明している。特にスマートフォンを使用する場合では、ユーザーが顔に電話機を近づける時に意図しないタッチによって通話が中断されるのを防止するために、タッチスクリーンをオフにする必要があるが、この際に近接センサによる通話中または事前に設定された他の作業中に一定の距離範囲内に接近した物体を検出する必要がある。検出信号が受信されると、DC環境光および、IR(赤外線)除去フロントエンド回路を経てADCに送られ、このプロセスにより、同製品は大量のDC IR放射が存在する場合でも動作が可能となっているほか、単一パルス方式を使用して外付けのIR LEDをパルス発光させることによって、センサは固定周波数の外部IR放射に対する耐性を備えており、近接センサの動作の信頼性を向上させることが可能となっている。

また、従来の光センサは、人間の目には見えない紫外線(UV)およびIR光による強い影響を受け、これらの光の検出により不正確な環境光を測定する場合があるが、同製品ではBiCMOS技術により、2つのフォトダイオードとUVおよびIR光を除去する光学フィルタの集積を実現しており、これにより、様々な環境における、人間の目の光学反応を再現できるという。

なお、同製品の価格は1000個以上受注時で1.65ドル(FOB:Free On Board)となっている。