ラピスセミコンダクタは12月20日、特定小電力無線局用の無線通信LSI「ML7396」のサンプル出荷を開始したことを発表した。

スマートメータシステムのような複数社の製品でシステムが構成される場合は、安定的な運用のため標準規格を用いて相互接続性を確保することが必要となっている。ML7396は日本の無線規格を満たすことはもとより、IEEE802.15.4dおよびIEEE802.15.4gの物理層に準拠することで、同規格に準拠する製品との相互接続が保たれる。

同製品は、特定小電力無線局の950MHz帯標準規格(ARIB STD-T96)および2012年7月に本格的に開放される920MHz帯に使用できる。また、同社が得意とするRF-CMOS技術を用い、業界最高水準の受信感度と低消費電力を実現している。

受信感度は業界最高水準の-105dBm(100kbps時)で、内蔵のエラー訂正機能であるFEC機能を使うことによってさらに受信感度を向上させることができる。送信出力も920MHz帯スマートメータ向けの20mW(13dBm)をLSI単体で出力することが可能となっている。パッケージは6×6mmの40ピンWQFNパッケージを採用している。

同製品のサンプル価格は450円となっている。2012年4月より月産100万個の体制で量産出荷を開始する予定。

同社では、今後も小電力セキュリティ無線局や特定小電力無線局機器で利用可能な400MHz帯域、900MHz帯域およびワールドワイドで使用可能な2.4GHz帯域の無線通信LSIの商品ラインアップ拡充を図っていく方針。