Analog Devices(ADI)は、精密さを要求される計測機器や分析機器の設計を簡素化する高精度D/Aコンバータ(DAC)「AD5790」(20ビット)および「AD5780」(18ビット)を発表した。

高精度アナログシステムの設計は、非直線性による誤差を除去し、熱電効果とノイズ源を最小化し、オフセット誤差を低減するために、高精度のDACと、様々かつ多くのシグナルコンディショニング回路とそれらの周辺回路とを組合せるという複雑な設計が必要とされることが良くある。2製品は、同一チップに集積された精密なリファレンス・コンディショニング回路を内蔵しているため、システムの開発を簡素化すると同時に、性能実現に対するリスクの低減と設計サイクルの短縮が可能で競合製品となるコンバータとしての単一機能のみのスタンドアローン・データ・コンバータ比で、ボード面積を60%削減することが可能だ。

また、AD5790の精度は全温度範囲にわたって20ビット±2LSB、AD5780は同じく全温度範囲にわたって18ビット±1LSBを実現しているほか、単調増加性を保証しており、DNLはモノトニシティを維持できるように-1LSBを保証している。2製品とも1.1μVのピークtoピーク低周波出力ノイズ、9nV/√Hzのノイズ・スペクトル密度、および0.05ppm/°C未満の温度ドリフトを実現しており、出力は標準のユニポーラ(+5V、+10V)またはバイポーラ(±5V、±10V)出力範囲で設定可能となっている。

さらにデジタル・データには、最高50MHzのクロック・レートで動作する多機能3線シリアル・インタフェースを用いており、2.5μsのアナログ出力のアップデート・レートを特長としているほか、動作温度範囲は-40℃~+125℃となっている。

なお2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価はAD5790が67.50ドル、AD5780が19.50ドルとなっている(米国での販売価格)。

高精度D/Aコンバータ(DAC)「AD5790」(20ビット)のブロック図