日本IBMは11月16日、非定型業務の効率化を支援する新しいソフトウェア「IBM Case Manager V5」を発表し、11月25日から出荷を開始すると発表した。新製品の価格は、1ユーザーあたり328,900円(税別)から。

このソフトは、例外処理など、発生頻度が低くあらかじめ定型化しておくことができず、その都度人間の判断が必要な非定型の業務の最適化をITで支援するというもので、プロセスをある程度の粒度で「部品」(=タスク)として定義しておくことで、担当者が「部品」を選択することで適切な処理を行えるようにする。加えて、その過程で発生した行動や情報を記録することにより、コンプライアンスの強化にもつながるという。

「IBM Case Manager」の概念図

例えば、自動車損害保険会社における事故受付業務や支払業務において、想定される事故保険金よりも高額な支払請求を受けた場合には、定型の支払いプロセスの実施では処理ができないため、担当者による様々な情報収集や特別な判断が必要になる。

このような場合担当者は、はじめに部品として定義された「事故状況の確認」を実施。この中で、「警察から事故関連情報を入手」・「専門医務チームの判断を入手」などの具体的なプロセスを実施するように定義し、担当者が「事故状況の確認」に必要な情報を入手し、適切に判断できるよう支援する。

「事故状況の確認」をした結果、請求が妥当と判断した場合は「支払い」のプロセスへ進み、妥当でないと判断した場合は、次に部品として定義している「保険金詐欺の可能性判断」へ進む。「保険金詐欺の可能性判断」の中には、「当該申請者の取引履歴を照会」「法務部門と協議」などのプロセスが定義され、担当者は必要なプロセスを実施する、といった形で処理される。

「IBM Case Manager」の「Case Manager Builderステップ・エディター」画面

発表されたソフトウェアは、定型および非定型の業務プロセスをシステム化し、業務全体の見える化および最適化を実現する先進ケース管理(Advanced Case Management)製品となる。