印刷通販で入稿する際にトラブルになりやすい項目をピックアップしてご紹介する連載第三回。第一回第二回に引き続き、印刷通販サイト「アルプスPPS」の担当者のアドバイスを交えつつ、印刷通販で入稿する際にトラブルになりやすい項目をピックアップして紹介していく。

「使用しているインキ量が多すぎる」と指摘されてしまった……

プロセスカラー(CMYK)の各色は最高100%まで指定できるが、オフセット印刷機では「インキ総使用量」(絵柄の中に指定できるインキの量)が280%くらいまでが適量と言われている。そのため、トンボに使われるレジストレーションカラー(CMYK=100%)を絵柄に使っても裏移りの原因になったりやみくもに乾燥に時間が掛かったり、あるいはインキが剥がれてしまう(トラッピングと言う)など良い結果は得られない。

アルプスPPSによれば、「たとえばリッチブラックを使いたい場合はC40%、M40%、Y40%、K100%くらいが良いのではないでしょうか」とのこと。

PDFで入稿してもOK?

たとえばAdobe IllustratorやAdobe InDesignで入稿するとなると、ドキュメントファイルはもちろん画像やイラストといった図版データもリンクファイルとして一緒に入稿しなければならない。とくにIllustratorに配置した画像はInDesignの「パッケージ」機能を使っても収集されないので送付忘れにつながりやすい。PDFの場合、リンクファイルを用意する必要がなければフォントも埋め込むことで文字化けを心配することもない。

印刷用としてガチガチに規格化されたPDF/X-1aとして保存すれば「カラースペースはすべてCMYK、フォントは埋め込み」となるためトラブルに遭う可能性も低い。注意するべきはPDF生成時の解像度。基本的に「高解像度出力向け」と説明されているPDF/X設定を使えば問題ないが、最低でも「300dpi(ppi)」以上でPDFファイルを生成しよう。なお、PDF/X-1aを使用した場合、透明効果は分割されるので注意が必要だ。

PDF入稿を目指す場合はアプリケーションに用意されるプリセットから「高解像度」、「印刷用」といった名称を付けられているものを選ぶとベター。解像度は最低でも300ppi以上に設定する。