日本アイ・ビー・エムは10月6日、同社とアイ・エム・サービスの主導の下、秋田市が「スマートシティ情報統合管理基盤」の構築を開始すると発表した。同事業には、2社のほか、伊藤忠商事、伊藤忠テクノソリューションズ、ESRIジャパンも参画する。

同事業は、3月に策定した「あきたスマートシティ・プロジェクト基本計画」の第1フェーズに当たり、同市内すべての建物や施設のエネルギー使用量をはじめ、道路・橋などの社会インフラに関する基本情報や市内の交通状況など多様な情報を一元的に集約して可視化し、最適化していくための基盤を構築するもの。

今回構築する基盤は、市が所有する445施設の名称、住所、延床面積などの基本情報や各所に設置したセンサーからのエネルギー情報、地図情報を統合管理し、特に重要な情報をダッシュボードと呼ばれる一覧画面に表示する。

本年度は、5つの施設(秋田公立美術工芸短期大学、秋田市勤労者総合福祉センター、秋田市太平山自然学習センター、秋田市中高年齢労働者福祉センター、秋田市老人福祉センター)でエネルギー・データの計測・集計・分析を行うための環境を構築し、来年度から、エネルギー使用状況の「見える化」やエネルギー削減支援サービスなどを通じて、効果的なエネルギー使用量の削減を図っていく。

これらの施設の基本情報や電気料金の請求書データを活用し、改正省エネ法の法定提出書類に必要なエネルギー使用量の収集・集計、数値の算出と法定提出書類の作成・出力をしたり、地理情報システムと連携して延床面積やエネルギー使用量、コストなどに応じて各施設を段階的に色分けしたり、密度分布図、グラフ表示などの機能を提供したりと、さまざまな政策や市民サービス向上に資する意思決定を支援する。

「情報統合管理基盤」の導入イメージ

同基盤はIBMの「IBM Intelligent Building Management」を中核とし、改正省エネ法対応やセンサーからのエネルギーデータ処理に伊藤忠商事の「ecoFORTE ASPサービス」を、地理情報システム関連のアプリケーション開発にESRIジャパン「ArcGIS Desktop/Server」「ArcGIS Online」地図サービスを、基盤インフラには伊藤忠テクノソリューションズが提供するクラウドサービス「TechnoCUVIC」を活用する。