三菱電機は、SiCパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバータを製品化し、2012年1月に東京地下鉄(東京メトロ)の車両に搭載し、各種調整試験を行った後、営業運転に使用する予定であることを発表した。

大容量SiCパワーモジュールと鉄道車両用インバータ

同インバータは、SiCパワーモジュールを適用したことで、従来のSiパワーモジュール製品比で発生損失を30%低減したほか、体積、質量ともに同40%低減することに成功している。

また、従来の車両システム比で30%の省エネルギー化を実現したほか、全速度領域での電力回生ブレーキの実現により回生電力量が増加(機械ブレーキ損失なし)しており、これにより機械ブレーキの使用頻度を低減することができるようになるため、省メンテナンス化が図れるようになるという。

さらにインバータの高周波スイッチング駆動により、モーターの発生損失を同40%低減することに成功したほか、モーター制御モードの切り替え不要と、モーター電流の正弦波化による磁歪音低減により、従来の車両システムと比較して最大6dBの低騒音化が図れるようになるという。

今回製品化されたSiC適用鉄道車両用インバータの各種特長