シマンテックは9月21日、ビッグデータの市場およびユーザー動向をもとに「ビッグデータ時代におけるストレージ管理」と題して、企業におけるストレージ管理の課題や同社の提供するストレージ管理ソリューションについての記者説明会を行った。あわせて同社の「Veritas Storage Foundation」の次期版となる6.0を年内に公開すると明らかにした。

システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスター製品担当 技術部長 星野 隆義氏

システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスター製品担当 技術部長 星野 隆義氏は、資料をもとに「構造化データのデータ量はさほど増えてはいないが、動画や画像、オフィスで使用されるドキュメントファイルなどの非構造化データと複製データの量が増大しており、今後もさらに急増するだろう」と説明。

ユーザー企業の2011年度ストレージ投資の重点項目の上位に「データ量増大への対応」「バックアップの効率化」といった項目が上がっている点からも、「限られた予算、データ量の増加、管理データの多様化・複雑化に対応すること」がユーザー企業の抱える大きな課題になっているとした。

国内ディスクストレージ容量のコンサンプションモデル予測 (IDC Japan Directions 2011 Tokyoより引用)

2011年度のストレージ投資の重点項目 (IDC Japan Directions 2011 Tokyoより引用)

また企業のディスクストレージの選択基準にも、サーバー仮想化環境での運用性、シン・プロビジョニング機能、外部ストレージの仮想化、階層型ストレージへのニーズが高まるなど変化が見られるという。

このようなビッグデータ時代の中で、非構造化データなどのデータ増加へのシン・プロビジョニング機能や重複データ排除機能によるストレージの効率利用化、仮想化によるデータ管理の複雑化へのストレージ階層化などによるデータの最適な配置、ストレージやファイルシステムなど多様化するテクノロジーに対するロックインの回避と管理の標準化などを、市場に提供すべきポイントとして挙げた。

ディスクストレージ選択基準の変化 (IDC Japan Directions 2011 Tokyoより引用)

ビッグデータ時代の市場およびユーザー動向

同社では、この分野において「SOSA(Service Oriented Storage Architecture)」を掲げ、Veritas Storage Foundation製品を投入している。異なるOSやハードウェアストレージの中でも、シン・プロビジョニング機能やストレージ階層化機能などを共通の操作性の上で実現できるソリューションとなっている。

また年内の公開を明らかにした「Veritas Storage Foundation 6.0」については、ファイルシステムレベルでのデータ圧縮・重複排除機能、複数システムにまたがるアプリケーション群を同時カバーする機能、Veritas Storage Foundationのカバーする機能をプラットフォームなどに依存せず共通の管理基盤を提供する機能などを実装する予定。

ストレージの最適化でコスト競争力の向上とデータ急増への対応へ

「Veritas Storage Foundation 6.0」の機能強化予定