デュッセルドルフ地裁は9月9日、韓国SamsungのAndroidタブレット「Galaxy Tab 10.1」が米Appleの特許を侵害しているとする判断を改めて示した。これにより、すでに仮令で禁じられているドイツでのGalaxy Tabの販売・マーケティング活動が、継続して禁じられることになる。

Galaxy Tab 10.1

この判決は、8月末の仮決定の後に開かれた聴聞会を受けてもの。ここで地裁は、製品の外観など自社の特許を侵害しているというAppleの主張を認め、仮の販売指し止め令を出していた。今回、この仮判定を支持する形となった。

仮令は当初、オランダを除く主要欧州各国を対象としていたが、その後ドイツに縮小された。この影響で、9月はじめにドイツ・ベルリンで開催された家電展示会「IFA 2011」で、SamsungはGalaxy Tab 10.1のほか、新製品となる「Galaxy Tab 7.7」についても展示を取り下げている。

オープンソースと法に詳しいドイツのFlorian Mueller氏によると、この決定を覆すためには、Samsungは1)高速プロセスのFast-Track形式で控訴して勝訴する、2)自動的に持ち込まれる正式裁判(一審)で勝訴する、の2つの手段があるという。今回の指し止め令は、1)または2)で逆転できるまで有効となる。Samsungは控訴の構えを見せている。

Mueller氏はまた、判事が「Galaxy Tab 10.1」と特定せずに「Galaxy Tab」と述べたことにも留意、Appleが主張するコミュニティデザインに抵触する可能性のある全タブレットが対象となるだろう、との見解を示している。

欧州ではこのほか、オランダで、Samsungに対しAndroidスマートフォンの仮の販売指し止め令が出ている。

Samsung対Appleは、欧州、米国、豪州と世界的に戦いが繰り広げられている。Appleは日本でも、同様の主張に基づきSamsungを提訴したと報じられている。