Microsoft Windows 8

「Windows 8」の起動時間はWindows 7と比較して30%から70%ほど高速化されると「Delivering fast boot times in Windows 8」で報告された。説明によればWindows 7を利用するノートPCユーザの45%が、デスクトップユーザの57%がシャットダウンを使っており、スリープやハイバネーションと比較して同等かまたはより高い利用率にあるという。このため、コールドブートをいかに高速化するかがWindows 8における開発主題として取り上げられていると説明がある。

Windows 8では「コールドブート」と「ハイバネーション」の2つの処理を組み合わせた新しい起動モード「ファストスタートアップ」を開発したという。これはすべてのセッションをクローズするのではなく、カーネルセッションに相当するセッション0のみをハイバネートするというもの。フルハイバネーションが主記憶メモリの75%ほどをディスクに書き出すのと比べ、カーネルセッションのみであれば主記憶メモリの10%から15%ほどでよくなり、復帰にかかる時間が短くて済む。

また、カーネルセッションのレジューム時にはマルチコアのすべてを使って展開処理を実施する「マルチフェーズレジューム機能」を実装。これによってカーネルセッションの復帰が高速化されており、従来のコールドスタートアップと比較して大幅な起動時間の短縮が実現されているという。

コールドスタートアップを好むユーザはドライバの初期化を目的としている場合もある。「ファストスタートアップ」ではカーネルセッションはハイバネーションから復帰させるが、ドライバの初期化は実施するようになっており、従来のコールドスタートアップにおけるドライバ初期化を目的としていたようなケースにも対処しているという。

Windows 8では「ファストスタートアップ」が提供されることになるが、従来の完全なコールドスタートアップを実施することもできると説明がある。