STMicroelectronicsのRFID/NFCデュアル・インタフェースEEPROM「M24LR64」

STMicroelectronicsは、デュアル・インタフェースEEPROMの情報の読み取り・書き込み・転送を可能にする機能を、産業/コンシューマアプリケーションへと拡張するワイヤレス機能を搭載した64Kビットメモリ「M24LR64」を発表した。

同製品は、RFIDタグで使用される無線アンテナに直接接続可能なデュアル・インタフェースEEPROM。無線アンテナが、RFID・NFCリーダーと対象物に実装された電子タグ間で、磁界によりデータを伝送するため、装置の電源を入れずにデータの読取りもしくはアップデートが可能なほか、RFIDおよびNFCリーダ(ISO15693準拠)に加え、システム自体のプロセッサと通信することも可能だ。そのため、ユーザに新機能を提供するNFCを用いた製品や、サプライ・チェーン内でRFIDによる管理ができる製品の設計を簡略化することが可能となっている。

また、32ビットのパスワード保護機能も搭載しているため、無線によるメモリ読み取り・書き込みアクセスに対する制御が可能となっており、アプリを通して、NFC対応スマートフォンまたは産業用RFIDリーダとの間で情報の送受信を行う独自の機能を備えており、取引、データ交換、オブジェクト識別、追跡管理などを迅速に行うことができるほか、NFC対応機器間の通信も可能となる。

さらに、NFCは、最大約10cmの距離で通信する近距離無線通信規格で、Android OS(2.3.3以降)では標準サポートとなっており、Android OS上で動作する同社アプリ「Dual EE」を用いることで、NFC対応スマートフォンと同製品を搭載したプロトタイプの温度レコーダを接続し、データの転送・保存を行うことが可能だ。これらの機能は、医療機器、生活家電、コンシューマ機器、各種メータなどの製品への応用が可能だ。同アプリはAndroidマーケットから無料でダウンロード可能で、すでに主要スマートフォンでの動作も確認済みだという。

同サンプル・アプリのソース・コードは、同社のWebサイトで提供されており、開発者はこれを用いることで、デュアル・インタフェースEEPROMと通信可能な独自のNFC対応Androidアプリの開発が可能になるという。

なお、同製品はすでに入手可能で、単価は1000個購入時で約0.72ドルとなっている。