富士経済は今年4月から6月にかけ、太陽電池関連の世界市場について調査を実施。そのうち、太陽電池セル・モジュールおよび部材/原料の現在と将来の技術・市場動向についての分析を「2011年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望 上巻」としてまとめた。

太陽電池市場予測においては10種類の市場を分析。主流となっている「結晶シリコン太陽電池」では、原料・部材の低コスト化や量産拡大もあって、太陽電池価格が低下してより導入しやすくなり、今後更なる価格の低下は需要を促進すると予測。それに次ぐ薄膜シリコン太陽電池では、レアメタルや有害物質を含まない特徴などから価格競争力を高めることが出来れば結晶シリコン太陽電池にも対抗できるとしている。

ここ数年、世界市場では事前の予測を超える需要が創出され、2010年の市場規模は前年比203.3%の3兆4,162円と過去最大の大幅成長。2011年は4兆5,171億円を見込む。2030年には13兆3,140億円に達すると予測されている。

報告書ではこの他メーカーシェアや国別動向、風力発電・太陽熱発電との競合/棲み分け分析などがまとめれている。なお同調査の「下巻」として、太陽光発電システム、製造装置、システム機器などの技術・市場また国別動向についても今後発表する予定。