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FirefoxとChromeの150タブ状態におけるブラウザの性能比較が掲載されてから、Operaと比較したらどうなるのかを求める声が上がっていた。Firefoxはシングルプロセスアーキテクチャ、Chromeはマルチプロセスアーキテクチャであり、メニータブ状態ではFirefoxの方が優れた性能を発揮するのは仕組み上自然な成り行きといえる。また、そもそもChromeは20タブ前後までの使用を想定しているため、メニータブ状態の性能は考慮されていない。

一方、OperaはFirefoxと同じシングルプロセスアーキテクチャであり、もともと軽量高速を売りにしてきた。そのため、Operaと比較することが本来の検証といえるのではないかと考えるユーザが多かったようだ。

これを受けて、Scalability cont. - Garbage Collection stats and thesis updatesに追加で「Opera 11.50」を試験した結果が公開された。Fierfox nightlyの結果とともにまとめると次のようになる。

150タブを開くまでの時間はOpera 11.50とFirefox nightlyでそれほど大きな差はみられない。ただし、スレッドの数がOperaの方が圧倒的に多いことから、ユーザの体感時間は長くなっているようだ。

150タブ開いた状態ではOpera 11.50は290スレッド、Firefox nightlyは27スレッド消費している。

150タブ開いた場合ではOpera 11.50が2.5GB、Firefox nightlyが2.02GBメモリを消費している。

1タブと150タブ時におけるOpera 11.50とFirefox nightlyのV8ベンチマーク結果。全体的にFirefox nightlyの方が優れた結果を示している。

Opera 11.50とFirefox nightlyは同じシングルプロセスアーキテクチャを採用していることもあって、似たような結果を示している。全体的にFirefox nightlyの方が性能が良い。Operaは120タブを超えたあたりから動作が緩慢になったほか、150タブの状態で一気に終了するまで30秒も時間がかかったと指摘されている。

ただし、この結果は「Opera 11.50」に対して実施された点に注意する必要がある。FirefoxがnightlyでメモリやJavaScript実行に関する多くの改善を取り込んでいるように、OperaもOpera Nextで改善を施している。Opera Softwareから報告されている性能改善状況を加味すると、Firefox nightlyとOpera Nextはそれほど変わらない性能を発揮するのではないかとみられる。

20を超えるタブを常時使用するユーザの割合は少ないようだが、絶対数で考えれば相応の数に上る。そうしたヘビーユースのユーザにとってFirefoxやOperaは優れた選択肢と言えるようだ。また、Operaは初めから多くの機能が実装されており、追加のアドオンやエクステンションにより動作が遅くなることを避けられる。この点は、Firefoxに対する優位点の一つに数えられるだろう。