STMicroelectronicsは、同社子会社であるPortland Group(PGI)が、x86汎用アーキテクチャ(64bit/32bit)に基づくシステムを対象とした「PGI CUDA C/C++コンパイラ」の提供を開始したことを発表した。

同CUDA C/C++コンパイラを利用することで、これまで以上に多くの開発者がCUDA並列プログラミング・モデルを使用することができ、対象となるサーバやクラスタ上でNVIDIA GPUの存在の有無にかかわらず、コード・ベースの重要な部分の性能最適化が可能になると同社では説明している。

PGI CUDA C/C++アプリケーションを、x86ベースのシステム上で実行した場合、複数のプロセッサ・コアと、Intel/AMDの最新世代のx86互換CPUで利用できる新しいAVX命令を含むSSEを使用して並列動作する。

PGIでは同コンパイラを3段階で展開する予定で、現在は第1段階として、開発者がコンパイラを使用することが可能になった段階としている。第2段階は2011年第4四半期に予定しており、x86ターゲット・プラットフォーム上で実行されるCUDAプログラムの最大性能を引き出すための性能最適化が含まれる。そして第3段階は2012年中旬に予定しており、PGI Unified Binary技術(1つの実行形式モジュールをCPUおよびGPUのどちらでも実行できる機能)のサポートが含まれる予定となっている。

x86用PGI CUDA C/C++コンパイラは、「PGI Accelerator」系製品に含まれており、すべてのPGI Accelerator製品において、CUDAプログラミング・モデルおよびハイレベルなディレクティブなどで指示を行うPGI Acceleratorプログラミング・モデルをサポート。現在、C99用とFortran 2003用のPGI Acceleratorコンパイラが利用可能状態にあるという。