アース・スター エンターテイメントはレシピ本『東京・足立区の給食室』 を7月31日に発売する。「足立区教育委員会 おいしい給食担当」を編集協力に迎え、足立区で子どもたちが実際に食べている給食を家庭用にアレンジしたレシピが掲載されている。しかし、ここで当然の疑問が持ち上がる。なぜ給食なのか。そしてなぜ足立区なのか。

現代の子どもたちはよく偏食だと言われる。野菜全般がダメ、肉類も一切受け付けない、とにかく好きなものしか食べない……そんな子どもたちは当然給食も残す。この状況を憂慮した足立区は、各学校に栄養士を配属し、必要な栄養素をバランスよく取り入れながら、"給食"の既成概念を覆すようなユニークで美味しい献立を提供する工夫をしている。

例を挙げると「ガッパオごはん」「ローストチキン」「キーマカレー」「ジャンバラヤ 」といった、まるでレストランのようなメニューが並ぶ。単に珍しいものや、好物を出して子どもたちの興味を引くのではなく、給食を通じて作り手に対する感謝の気持ちや、栄養に関する知識などを学んでもらうことも目標としているのだという。

また、西麻布の「リストランテ アルポルト」のオーナーシェフ・片岡譲氏や、「四川飯店」グループ総料理長の菰田欣也氏らがメニューを考え、学校で給食を調理するという驚きの企画も実施している。このような施策が功を奏し、足立区内の小学生の97%、中学生の82%が「給食を楽しい」と感じるようになったという。

本書『東京・足立区の給食室』には、足立区の小中学校109校で実際に出されている献立から76のメニューを厳選。家庭でも簡単に作れるようアレンジを加え1冊にまとめた。1食で12の栄養素が摂取できるが、カロリーは650キロカロリー前後と控えめ。さらに1食あたりの食費は299円以内に抑えられている。