凸版印刷は、同社が10年前から展開している電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」において、成果連動型の電子チラシの新しい配信モデル「Shufoo!電子折込サービス」を、9月から開始すると発表した。

Shufoo!は同社が2001年8月に事業を開始した、新聞の折込チラシを電子化して提供するサービス。新聞を購読しない「無読層」が増大するなか、20-50代の女性を中心に150万人が利用している。利用する企業は、現在、550社、65,000店舗にのぼるという。

Shufoo!の軌跡

新たにサービスを開始する「Shufoo!電子折込サービス」は、「電子チラシお届けサービス」、「みるとく~ポンサービス」、「Shufoo!GISレポート」の3つのサービスで構成される。

これまで、Shufoo!はポータルサイト上でユーザーが地域を指定してチラシを閲覧するプル型スタイルだったが、「Shufoo!電子折込サービス」は、ユーザーに電子チラシを自動配信するプッシュ型サービス(「電子チラシお届けサービス」という)となる。ただし、スパムメールと区別するため、Windowsでは、新たにガジェットを提供し、ガジェットを通して閲覧する方式を採用するほか、スマートフォンでは、着信音やダイアログとともに、配信を知らせる。

Shufoo!のiPad用アプリ

「電子チラシお届けサービス」

「みるとく~ポンサービス」は、来店の動機付けを行うため、当日限定のクーポンを配信し(実際の発券は、各店舗に置かれる発券機で行う)、実際に来店したユーザー属性を広告主に提供するサービス。

「みるとく~ポンサービス」

各店舗に設置される「みるとく~ポン」発券機

「Shufoo!GISレポート」は、チラシを閲覧したユーザーの地理的な分布や、性別や年齢層などの属性情報を広告主に提供し、新たな販促サービスに役立ててもらおうというものだ。

「Shufoo!GISレポート」

「電子チラシお届けサービス」は単独で利用可能だが、「みるとく~ポンサービス」は「電子チラシお届けサービス」を利用することが必須となる。「Shufoo!GISレポート」は、サービス利用する広告主に無償で提供される。

料金は、いずれも実際に閲覧(クーポンを発券)したユーザー数に応じて課金される成果連動型で、「電子チラシお届けサービス」の場合は、初期費用1万円で、月額費用はチラシ1回閲覧で10円(最低1,000円から最大20万円)。「みるとく~ポンサービス」は、初期費用10万円(1店舗あたり)で、月額費用は1枚あたり50円(最低5万円から最大100万円)。

なお、閲覧数については、5分以内の重複閲覧は排除するほか、チラシ画像を完全に表示した場合に限って1カウントとする「チラシPV」という新しい指標を用いる。

ユーザー数獲得策としては、Panasonic、TOKYO MX、TBSテレビと連携し、Panasonicとはケーブルテレビとの連携、TOKYO MX、TBSテレビでは、デジタル放送との連携を模索していく(具体的な方法は今後検討)。

また、カルチュア・コンビニエンス・クラブが提供する「Tポイント」とも連携し、「Shufoo!」の新規会員登録で5ポイント以上、チラシ閲覧1回あたり1ポイント以上、広告を1クリックあたり1ポイント以上のポイントを付与するという(付与ポイント数は、時期やチラシ、広告によって異なる)。

Tポイントとの連携

同社では、これらの施策により、2011年3月現在、130万人の月間閲覧ユーザーを、2013年3月には3倍以上の500万人に拡大し、月間PVも1,400万から10倍の1億4,000万に拡大することを目指すという(PV:Page View(閲覧ページ数))。

ユーザー数の目標値

凸版印刷 取締役 情報コミュニケーション事業本部 副事業本部長 兼 トッパンアイデアセンター長 新井誠氏

凸版印刷 取締役 情報コミュニケーション事業本部 副事業本部長 兼 トッパンアイデアセンター長 新井誠氏は、「これまで凸版印刷は紙メディアによって、生活者と企業を結ぶ役割を担ってきた。しかし近年、デジタル化に加えて、ネットワーク化という社会情報インフラの大きな変化が起こっており、書籍やカタログ、チラシなどは、その影響を直に受けている。そのため、弊社では社会のニーズを先取りした事業の変革を日々進めており、Shufoo!はその代表モデルだ。今回の新サービスは、まさしく時代を先取りした、真に効果を実感できるサービスで、今後は企業と生活者を結び、新時代のコミュニケーションインフラとして育てていきたい」と述べた。