Amazon.comの「Kindle」、Barnes & Nobleの「NOOK for iPhone」、Googleの「Google Books」、Koboの「Read Kobo eBooks!」など、iOS用の電子書籍アプリのアップデートが次々に提供されている。Appleが6月に行ったApp Storeレビューガイドラインの改訂に対応しており、いずれもiOSアプリからそれぞれが運営しているオンライン書店へのリンクを削除している。

今年2月にAppleがiTunes App Storeでのサブスクリプション(定期購読)サービスを開始した際に同社は、出版社やオンライン書店が自社サイトとアプリの両方でサブスクリプションを販売する場合、App Storeにおけるコンテンツの価格を同額か、より低価格で提供することを求めた。さらにアプリ外でユーザーがコンテンツやサブスクリプションを購入できるようにするiOSアプリからのリンクの提供を禁じた。これには独占禁止法違反の可能性が指摘され、6月にAppleは価格に関する条件を取り下げた。ただし、iOSアプリから外部のストアへのリンクは禁止されたままで、Ars Technicaによると、6月末から延期されていた対応期限を迎えて、ここ数日の間に電子書籍アプリが一斉にアップデートされている。

これまでKindleアプリには右上にKindle Storeボタンが用意され、ワンタップでアプリからKindleストアにアクセスできた

対象となる電子書籍アプリの提供者は、iOSアプリから自社サイトへのリンクを削除し、その上でAppleの決済システム(Appleが売上の30%を手数料として徴収)を利用してiOSアプリからユーザーが直接コンテンツを購入できるようにすることも可能だ。しかしAmazon.com、Barnes & Noble、Google、Koboなどの電子書籍配信大手は、iOSアプリからシンプルに外部ストアへのリンクを削除しただけに止めた。ユーザーはWebブラウザを起ち上げて、これらの電子書籍配信プラットフォームのオンラインストアに手動でアクセスするという手間を強いられる。Koboはblog.kobobooks.comにAppleへフィードバックを送るURLを掲載し、BlackberryデバイスやWebOSデバイス、PCなどと同様のアプリ内ストア・アクセスをAppleに要求するようユーザーに訴えてる。